研究課題/領域番号 |
19H00829
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西田 稔 九州大学, 総合理工学研究院, 特任教授 (90183540)
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研究分担者 |
赤嶺 大志 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (40804737)
松田 光弘 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (80332865)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
46,150千円 (直接経費: 35,500千円、間接経費: 10,650千円)
2021年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2020年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2019年度: 24,830千円 (直接経費: 19,100千円、間接経費: 5,730千円)
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キーワード | 熱弾性マルテンサイト変態 / 形状記憶・超弾性合金 / 階層的顕微解析 / 自己調整構造 / 変態誘起転位 / 非金属介在物 / 走査電子顕微鏡用試料冷却ステージ / Strain Glass / 熱弾性マルテンサイト / その場観察 / 応力誘起マルテンサイト / 等温変態 / 時間依存性 |
研究開始時の研究の概要 |
形状記憶・超弾性の担い手である熱弾性マルテンサイト(以下,Mと略記)変態において顕在化してきた多様性に関して以下の課題を設定する.①応力誘起Mの結晶学的特徴,②熱弾性Mの自己調整構造と格子欠陥の発生,③等温熱弾性M変態に伴う組織形成過程,④Strain Glassの実体と時効によるM相の安定化・ゴム弾性機構.これらを階層的顕微解析によって理解し,それらが関わる機能の改善・創出の指針を得ることを目的とする. ①の成果は熱弾性M変態の結晶学の深化と新学理の構築,②,③は形状記憶・超弾性合金の長寿命化と医療デバイスの信頼性の向上,④は理論的考察に対する実験的な根拠の付与に貢献する.
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研究成果の概要 |
Ti-Ni系合金の応力誘起マルテンサイト(M) 相は生成条件によって熱誘起M相と異なる内部欠陥を持つことが知られた.Cu-Al-Mn合金単結晶で2段階の応力誘起変態が起こることを見出し,温度-応力状態図を作成した.Ti-Ni系合金の変態誘起転位がこれまで定説とされてきた順変態時ではなく,逆変態時の母相/マルテンサイト界面の後退に伴って生成することを階層的顕微観察によって実験的に示し,この結果を基に機能劣化の生じない合金系の開発指針が得られた.Ni過剰Ti-Ni合金時効材における等温M変態の可視化に成功した.Ti-Pd-Hf合金においてStrain Glass的挙動を見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
明らかになった応力誘起M相と熱誘起M相の相違をさらに解析することで,M変態の結晶学の深化が図られる.Cu-Al-Mn合金単結晶の応力‐温度状態図は耐震部材等への応用において,設計基準の設定等に重要な情報を与える.変態誘起転位と自己調整構造の関係および前者の生成機構の解明によって,機能劣化の生じないTi-Ni系合金の開発指針が得られた.医療用Ti-Ni超弾性合金の経年劣化が等温R相変態に起因し,その抑制が保管時の温度管理によって可能であることを明らかにした.Ti-Pd-Hf合金におけるStrain Glass的な現象の要因が,これまで提唱されてきたものとは異なる可能性が示唆された.
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