研究課題/領域番号 |
19H00850
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
馬渡 和真 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60415974)
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研究分担者 |
森川 響二朗 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (20796437)
Le ThuHacHuong 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (60752144)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2021年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2020年度: 17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2019年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
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キーワード | ナノ流路 / 光回折 / 分析化学 / 単一細胞 / クロマトグラフィ / 非標識検出 / 超高感度 / ナノフルイディクス / 極限液相空間 / 超高感度検出 / 溶液物性 / 可算個分子 / 光らない分子 / プロテオミクス / 光熱変換 / 非蛍光性分子 / ナノ流体工学 |
研究開始時の研究の概要 |
10-100nmナノ流路を利用するナノ流体工学は、超微小・超高比界面積を利用した極限化学操作を可能として、単一細胞や単一分子レベルの極限分析など化学やバイオへ革新的ツールをもたらすと期待され、学術・技術両面から重要である。しかし、最も重要である検出法、特に光らない分子(非蛍光性分子)を検出する汎用的な検出法が不可欠であるが、10-100nmの超微小空間では蛍光法に限定され、非蛍光性分子の検出は困難であり、ナノ流体工学発展の障壁となっていた。そこで、本申請では光回折を利用する新しい方法論を展開して、10-100nm空間での単一分子検出法を実現して、細胞生物学でのニーズが高い単一細胞プロテオミクスへ応用する。
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研究成果の概要 |
マイクロ流体工学は化学、バイオ、医療など広く使われており、ナノスケールの極限サイズへと向かっているが、極限サイズになると検出が極めて困難になる。そこで、本研究では最もよく利用される吸光をベースに標識せずにナノ空間で超高感度な分析を可能にする新しい原理の検出方法、すなわち光熱変換光回折(POD)法を創成した。提案した原理を確認最適化し、70nm空間で10分子という極限レベルの検出を達成した。そして、fLレベルの分離分析(クロマトグラフィ)を実現した。これはピコリットルである単一細胞より桁違いに小さく、単一細胞レベルの分離分析の基盤技術である。以上、液相極限空間の検出法と分離分析法を創成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コロナウィルスなどナノレベルの物質を1個で分析するための極限分析手法が求められている。しかし、フラスコやビーカーなど従来のツールでは大きすぎて高感度分析は困難である。そこで、本研究では液体を扱う容器としては極限的に小さい10-100nm空間(ナノチャネル)で分析するプラットフォームを構築した。光吸収・発熱を利用して分子を10分子レベルで検出するPOD法を実現し、最小70nm空間での極限分析が可能となり、新しい学術ツールを創成できた。今後、本成果を用いて、ウィルス一個の検出やがんの原因であるエキソソーム(ナノ物質)1個を分析するツールになると期待され、医学や生物学に大きな貢献が期待できる。
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