研究課題/領域番号 |
19H00865
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
杉本 敏樹 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 准教授 (00630782)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
47,320千円 (直接経費: 36,400千円、間接経費: 10,920千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2019年度: 36,270千円 (直接経費: 27,900千円、間接経費: 8,370千円)
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キーワード | 極微分光法 / 顕微鏡 / レーザー分光法 / 非線形分光法 / 水素結合 / レーザー分光 / 顕微分光法 |
研究開始時の研究の概要 |
表面水素結合ネットワーク中の異方的な水素の配置は,水分子集合体の機能発現に直接関わる重要な構造情報であるが,既存の表面科学的手法ではその構造情報を得ることが困難である.そこで,本研究では非線形光学に基づく顕微分光法によりOH伸縮振動を観測し,水素配置に関する微視的情報を得る.その知見を元に,表面水分子凝集系の機能発現機構に迫る.
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研究成果の概要 |
固体表面の水素結合ネットワークにおける水素の局所配置は水分子凝集系の機能創発に関わる本質的に重要な構造情報である。しかし、X線や電子線等を用いた既存の表面科学的手法では表面水素結合ネットワーク中の水素の局所構造を解明することは困難である。本研究では、走査トンネル顕微鏡と非線形分光法を組み合わせた顕微分光システムの開発に注力した。特に、金属の電気化学エッチング加工法の高度化により、ナノ顕微分光計測のカギを握るプラズモニック金属探針の先端形状を高い再現性を持ってナノスケールで制御可能となった。これにより、探針先端で誘起されるSTM発光や、探針直下の非線形分光信号を高感度計測することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、金属ナノ探針の加工法と整形法の高度化に成功した。これにより、光の回折・集光限界よりも数桁も小さなナノスケールの極微空間にパルス光を閉じ込めることが高い再現性で可能となり、ナノキャビティにおける非線形分子分光計測の方向性を拓くことができた。特に、高い安定性を持つ金属ナノ探針を再現性よく作製するという技術革新により、ナノスケールの極微光と分子の相互作用や表面水素結合系の機能を微視的に探求する確固たる技術的・物理化学的基礎を構築することができた。これらの成果は、ナノフォトニクス分野・触媒表面化学分野の今後の飛躍的発展に貢献することが期待される。
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