研究課題/領域番号 |
19H00866
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
若山 裕 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 副拠点長 (00354332)
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研究分担者 |
森山 悟士 東京電機大学, 工学部, 准教授 (00415324)
早川 竜馬 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究員 (90469768)
赤池 幸紀 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (90581695)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
44,590千円 (直接経費: 34,300千円、間接経費: 10,290千円)
2021年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2020年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2019年度: 19,760千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 4,560千円)
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キーワード | 負性抵抗 / 有機トランジスタ / 多値演算素子 / 論理演算素子 / ヘテロ界面 / 多値演算 / 有機半導体 / 論理演算回路 |
研究開始時の研究の概要 |
有機フレキシブル素子を次世代IoT素子に活用するためには軽さと柔軟性に加え、高い計算能力を兼ね備える必要がある。このためには微細加工できないという有機材料の弱点を克服して集積度を向上させなければならない。そこで本研究では処理データの「多値化」による高集積化に着目した。具体的には負性抵抗を利用した多値論理演算デバイスを提案する。既に独自のトランジスタで負性抵抗を観測し、さらに3値インバーターの動作を実証できた。こうして従来の2値演算から3値演算にすれば、その集積度を2のN乗から3のN乗に比例して増加できる。このように負性抵抗トランジスタを中心に多値演算デバイスを設計して大幅な集積度の向上を図る。
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研究成果の概要 |
独自に開発した負性抵抗トランジスタを基軸にして、有機エレクトロニクスの新しい分野開拓に取り組んだ。このトランジスタの特長は、チャネル中央部にpnヘテロ界面が形成されていることにある。そのため特定のゲート電圧範囲でのみ、ドレイン電流が共鳴的に増減するというユニークな特性を示す。この特性を利用して多値演算回路や論理演算回路の動作実証に成功した。さらにその光制御、素子の構成材料の最適化による特性向上、プラスチック基板上での素子動作、モデル計算による素子構造最適化の指針探索、オペランド計測による動作原理の解明、有機半導体から二次元原子層材料への展開など多くの成果を得るに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機エレクトロニクスの研究では、大面積で柔らかな電子素子という新分野を開拓してきた。有機太陽電池や有機ELなどが挙げられるが、いずれも高度な計算能力を必要とせず、光電変換や信号伝達など簡便な機能で動作する。一方、有機エレクトロニクスがIoT社会に資するためには、計算能力の向上が必須である。しかし従来の微細加工技術が適用できないため、高集積化が進んでいない。そこで本研究は、有機分子を量子マテリアルとして捉え、新しい素子動作の探索に取り組んだ。その結果、多値演算や論理演算などの動作実証に成功した。これは有機材料が得意とする構造柔軟性と、苦手とする高集積化を両立する新しい素子としての意義がある。
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