研究課題/領域番号 |
19H00873
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田邉 孝純 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (40393805)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,590千円 (直接経費: 34,300千円、間接経費: 10,290千円)
2023年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2020年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2019年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 光エレクトロニクス / 量子エレクトロニクス / 光周波数コム / レーザ / フォトニクス / 微小光共振器 / 光エクトロニクス / 非線形光学 / フォトニック結晶 / 機械学習 / 非線形工学 / レーザ工学 / 微小光学 / パルスレーザ |
研究開始時の研究の概要 |
微小光共振器を用いると効率的に四光波混合などの非線形光学効果を利用できる.それを利用すると,効率的に光周波数コムに必要なスペクトル領域で等間隔な櫛状の光を得ることができる.それに加えて,微小光共振器を用いた光周波数コムは,高繰り返しであり,可搬性に優れるので,様々な応用が期待できる.本研究では,その光源の開発とその利用を開拓する研究である.利用研究としてはプロセル応用及び光通信応用に注目し,それぞれで微小光共振器による光周波数コムがどのように適用できるかを明らかにする.その際に,背景光フリーの超小型集積モードロックレーザの開発も必要になるので,そうした新奇光源の開発も進める.
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研究実績の概要 |
MgF2微小光共振器を用いた光伝送実験においては,1.4TBpsの超波長多重光通信を実現しているので,実際にフィールドに導入した光ファイバ網を用いて超低遅延光伝送を実証した.直線距離4.5 kmの商用光ファイバ網を用いて,低遅延伝送を実証し,往復伝送させた際の過剰遅延を3.1usに抑えられることを示した.また,生成したソリトンコムの中心周波数,繰り返し周波数を任意に変調できることを示した.これは高安定マイクロコムの生成にとって必要不可欠な技術である.その成果は国際学術論文誌に成果発表し,報道発表した.さらに,低ノイズコム生成に向けて,生成したコムの位相ノイズを測定し-90dBc/Hzを以下を得た. SiNマイクロリング共振器では,光伝送及びテラヘルツ生成に取り組んだ.光伝送ではソリトンコムによる伝送のみではなく,出力光強度が高い変調不安定性コムを用いた伝送に取り組んだ.変調不安定性コムの状態を精密に測定し,光伝送が可能な条件を明らかにした.また,変調不安定コムを用いるとカオス信号を得て秘匿光通信ができる.そのために必要となる送信側と受信側の2つの共振器でのカオス同期ができることを理論的に明らかにした.テラヘルツ生成においては,ソリトンコムを用いて300GHzのTHz生成の実験を行い,-6.7dBmの出力を得ることに成功した. シリカ共振器を用いると広帯域なラマンコムを生成できる.ラマンコムはコヒーレントな過程で生成されるので,光通信などの応用に用いることができる.我々は今期ラマンコムの安定性について評価を行い,一定の条件下で応用に給することができる光源となることを示した. 最後に,利得を付与した微小光共振器を用いると自励モード動機が実現できることが期待できる.我々はその条件を理論的に明らかにするとともに,可飽和吸収を有するグラフェンのトランスファ技術を開拓した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
MgF2微小光共振器においての任意のコム生成が可能となり,制御性が当初想定していた以上に得られることがわかった.また,その成果をハイインパクト論文誌に成果発表したので.また,SiN微小光共振器において,ソリトンコム以外のコム状態の開拓が進んでいる.これも当初の計画以上の成果といえる.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に開拓したMgF2微小光共振器の動的な共振波長や繰り返し周波数制御を活用して,波長固定レーザを用いてもMgF2微小光共振器でコムを生成させる技術を開拓する.これは,超高安定な波長固定したレーザをマイクロコムの生成に使えることを可能とする技術であり,究極的な低ノイズ光コムの生成へと結びつく. 利得のある微小光共振器を用いた自励モードロックパルスの実現においては,利得のある共振器と利得のない共振器を結合させる結合共振器系を導入し,その系で特異的に得られるExceptional Pointの物理を活用してモードロックを実現させる.マイクロコム研究と非エルミート結合モードの分野を融合させ,新たなモードロックの手法を開拓するのみならず,新たな研究領域の開拓につながる研究となる. SiN微小光共振器では,引き続きマイクロコムのカオス同期に取り組み,カオス秘匿通信の研究を進捗させる.また,300GHzのTHz生成の研究を促進させ,THz研究への新たな展開も進める.
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