研究課題/領域番号 |
19H00878
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 努 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10313636)
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研究分担者 |
大竹 翼 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (80544105)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
43,160千円 (直接経費: 33,200千円、間接経費: 9,960千円)
2021年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2020年度: 15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
2019年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
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キーワード | マグネシウムシリケート水和物 / 低結晶性物質 / 地球化学モデリング / 有害物質 / 隔離 / 低結晶性物室 |
研究開始時の研究の概要 |
低結晶質準安定相のマグネシウムシリケート水和物(M-S-H)の組成や構造、物性の理解およびその生成条件の理解のため、1)様々な組成のM-S-Hの合成、2)合成M-S-Hのキャラクタリゼーション、3)分光学的手法および分子動力学的計算による構造推定、4) 様々な組成を有するM-S-H生成の地球化学反応モデリングによる再現、5)天然に産するM-S-Hの探査と現地調査、6)有害物質の隔離に対するM-S-H生成の影響評価を実施する。また、天然に産するM-S-Hの検討も合わせることで、実験的に合成されるものとの物性比較や生成条件の検証が可能となり、M-S-Hのロバストな理解とその影響評価に近づける。
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研究成果の概要 |
本研究では、合成実験とその生成物の精緻なキャラクタリゼーション、熱力学的な検討、様々な天然環境での探索と産出の確認、地質学的時間スケールでの経時変化の観察などにより、マグネシウムシリケート水和物(M-S-H)の正体(組成や構造等)が明らかとなり、生成条件に対する理解が深まり、その生成を予測可能な地球化学的反応モデルやデータベースも構築・検証することできた。したがって、これからはM-S-Hの生成が予想される様々な工学シーンで、検証されたモデルやデータベースを使ってM-S-H生成の可否や生成量の予測が可能となり、M-S-Hの生成を加速・抑制するための方策も検討可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マグネシウムシリケート水和物(M-S-H)は、おそらく低結晶性物質であるために、様々な場面で今までは見過ごされていた可能性が高く、その生成環境での振舞いに関する知見がほとんど蓄積されていなかった。このM-S-Hに関して、その正体(組成や構造等)や生成条件が明らかになっただけでなく、ニッケル等有用金属の資源探査、地熱発電のスケール抑制、二酸化炭素の地中貯留、放射性廃棄物の地層処分、石油増進回収等の地球工学的な様々な分野、セメントが関係する土木・建築工学、さらには地球外天体での存在予測等、広範な学術分野でのM-S-H生成や生成量の予測が可能となった。
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