研究課題/領域番号 |
19H00883
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
笹木 圭子 九州大学, 工学研究院, 教授 (30311525)
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研究分担者 |
出光 一哉 九州大学, 工学研究院, 教授 (10221079)
三木 一 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10706386)
赤松 寛文 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10776537)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
45,890千円 (直接経費: 35,300千円、間接経費: 10,590千円)
2021年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2020年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2019年度: 19,760千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 4,560千円)
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キーワード | ジオミメティクス / 層状複水酸化物 / 陰イオン性核種 / アミノ酸 / 固化安定化 / 層状腹水酸化物 / 放射性核種 / インターカレーション / DFT計算 / セレン酸 / イオン選択性 / エトリンガイト / ジオポリマー / セメント固化 / ハイドロカルマイト |
研究開始時の研究の概要 |
陰イオン放射性核種は地殻の主要構成鉱物であるケイ酸塩と静電気的に反発し拡散しやすく、半減期が長いため、より大きな環境リスクをもつ。低レベル放射性廃棄物のセメント固化過程において、これらのマトリクスとして生成するハイドロカルマイト(Afm)はエトリンガイト(Aft)へ相変化する傾向がある。しかし、Aftは1分子に結晶水を24~26個もつため環境の温度や湿度に影響を受けやすくより脆弱である。本研究では、系内に共存するジオミメティクスの活用によりこの相平衡を傾ける方法の提案、これらのジオポリマー固化法の最適化、ジオポリマー固化体中核種の結合状態の推定、放射性核種の長期安定化のための技術開発を行う。
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研究成果の概要 |
AFm中では陰イオンの水和度と価数が安定性に影響を与える重要な因子として考えられる。CaAl系AFm中のセレン酸はイオン化されたアミノ酸のうちとくにシステインとイオン交換しやすく、アミノ酸のカルボキシル基は、Ca-O化学結合の形成を伴って、価数の大きいAlではなく、原子サイズの大きいCaと結合しやすいことが初めてDFT計算により明らかにされた。ジオポリマー固化されたセレン酸の浸出率は、ジオポリマー中のSi/Alモル比の増加とともに増大した。EXAFS解析により、亜セレン酸、セレン 酸イオンのいずれもが、化学結合ではなく、静電相互作用によってジオポリマー中にとどまっていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
知見の乏しい陰イオン放射性核種の安定性に関して、その主要なマトリクスとなるAFm中での水分子の影響について、また低層に埋設される場合の有機物モデルであるアミノ酸とのイオン交換反応について、実験及びDFT計算を適用し原子レベルで考察した結論は、低レベル放射性核種の長期安定性に対して有用な知見を与えるだけでなく、DFT理論の微小スケールでありながら環境インパクトの強い問題へ応用した少ない例として学術的意義がある。またCO2削減を目指しセメント固化に代わりうるジオポリマー固化を陰イオン性核種に適用した場合の固定化機構及び安定性についても実用的に有用な知見を与えている。
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