研究課題
基盤研究(A)
我々は最近,柔粘性結晶で強誘電性を示す化合物群を開発し,それらの結晶が電場印加により分極方向を三次元的にほぼ自由に変更できることを明らかにした.この新しいタイプの強誘電結晶は,結晶化時の配向制御は不要で,多結晶材料でも活用できる.本研究はこの柔粘性/強誘電性結晶の開発を大きく発展させる.特に,強誘電体の示す重要な機能である焦電性・圧電性に関して,極めて高い性能を示し,多結晶体でも機能する分子結晶の開発を行う.
我々は既に柔粘性/強誘電性結晶という新しいタイプの分子性強誘電体を開発している.このタイプの結晶は,高温の柔粘性結晶相が立方晶系の構造を持つため,多結晶体でも強誘電体として機能する.本研究では,この柔粘性/強誘電性結晶の開発を更に進め,新しい強誘電結晶を数多く開発した.それにより,低い電場で分極反転する結晶,非常に高い焦電性や圧電性を示す結晶,融解により様々な形状に加工可能な結晶の開発などに成功した.
現在広く用いられている高性能なセラミクス強誘電体の多くは有毒な鉛を含むため,その代替材料の開発が強く求められている.本研究で開発した柔粘性/強誘電性結晶は,粉末を固めた多結晶体で強誘電性を示すという,従来の分子性強誘電結晶では不可能な特性を実現している.そして,非常に低い電場で分極反転可能な結晶の開発に成功し,多結晶体での様々な活用が可能となっている.また,融解加工により様々な形状に加工できる結晶の開発にも成功している.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
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https://www.hokudai.ac.jp/news/2019/06/post-539.html