研究課題/領域番号 |
19H00913
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
京谷 隆 東北大学, 工学研究科, 特任教授 (90153238)
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研究分担者 |
西原 洋知 東北大学, 材料科学高等研究所, 教授 (80400430)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
45,760千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 10,560千円)
2021年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2020年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2019年度: 18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
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キーワード | グラフェン / エッジサイト / キャパシタ / 劣化 |
研究開始時の研究の概要 |
鉛電池並の高いエネルギー密度をもつ電気二重層キャパシタを開発するためには、高い比表面積と黒鉛並みの高い導電性をもち、かつ高電圧下でも腐食しない炭素電極材料が必要である。とくにエネルギー密度は印過電圧の二乗に比例するので、4 V超級の耐電圧特性があれば、これだけで活性炭電極の約3倍のエネルギー密度の向上が見込める。従来の炭素材料では、比表面積と耐食性はトレードオフの関係にあり両立は不可能であった。しかし「エッジサイトの無い単層グラフェンの3次元連続体からなる多孔質炭素」は全ての条件を満たす。そこで鋳型炭素化法を用いてこの理想構造を実現し、高電圧電気二重層キャパシタの電極として応用する。
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研究成果の概要 |
本研究では、単層グラフェン多孔質電極を用いた高容量・高電圧型電気二重層キャパシタの開発に関する検討を行った。劣化の原因となるエッジサイトを排除し、なおかつ単層グラフェンから成る高比表面積の多孔質電極は、一般的な有機電解液を用いても室温で4.4 Vの高い耐電圧を発揮するが、面積比容量が小さい欠点があった。本研究ではグラフェン網面に窒素を導入することでこの問題を解決できることを見出した。また、本研究で得られた知見に基づき、単層グラフェン多孔質電極の他の電池応用についても先進的な成果が得られた。さらに、社会実装に向けた材料の量産化技術の開発にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、電気二重層キャパシタの心臓部となる新規カーボン材料の開発を行い、従来よりエネルギー密度と寿命を向上させることに成功した。また、新規カーボン材料を従来のカーボン材料と比較することで、電極材料としてカーボン材料に求められる構造的要素の解明が進んだ。得られた知見は、電気二重層キャパシタ以外の電池にも適用可能であり、本研究で検討した新規カーボン材料の固体高分子形燃料電池のPt担体や、全固体リチウム硫黄電池の正極硫黄担体としての有用性を実証することができた。さらに、社会実装に向け、新規カーボン材料を安価に大量生産する技術も開発できた。
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