研究課題/領域番号 |
19H00915
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大西 洋 神戸大学, 理学研究科, 教授 (20213803)
|
研究分担者 |
小堀 康博 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (00282038)
高橋 康史 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 特任教授 (90624841)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
46,150千円 (直接経費: 35,500千円、間接経費: 10,650千円)
2021年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2020年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2019年度: 24,440千円 (直接経費: 18,800千円、間接経費: 5,640千円)
|
キーワード | 反応速度論 / オペランド計測 / 電子励起状態 / ペロブスカイト構造 / 多電子反応 / マイクロ電極 / 赤外吸収分光 / エックス線吸収分光 / 人工光合成 / 半導体光触媒 / 酸化反応 / 酸素生成反応 / 電子スピン共鳴 / 赤外吸収 / 化学反応 / 水分解 / 走査型電気化学顕微鏡 / 時間分解分光 |
研究開始時の研究の概要 |
世界最高の量子収率で水を完全分解する半導体光触媒(NaTaO3とSrTiO3)は希薄な励起光フラックスのもとで水を酸素に変換する4電子酸化反応を完了する。この反応の中間体は光触媒表面に生成して自由な水に曝されるにもかかわらず、失活せずに反応を完了するのはどうしてだろうか? この問いに答えるために、光触媒と水の界面に生成する中間体と最終生成物(溶存酸素)の生成消滅を1 msの時間分解能で追跡する計測法を複数構築して、水から酸素にいたる逐次物質変換のメカニズムを解析する。異なる金属元素からなる二つの光触媒によるメカニズムから共通点を抽出して半導体光触媒を活性化する普遍的コンセプトを提案する。
|
研究成果の概要 |
世界最高レベルの量子収率で水を完全分解する半導体光触媒は希薄な励起光フラックスのもとで水を酸素に変換する4電子酸化反応を完了する。この反応の中間体は光触媒表面に生成して自由な水に曝されるにもかかわらず失活することなく反応を完了するのはなぜか? この問いに答えるために、化学変化の中間状態 (半導体中の電子励起状態)と最終生成物(水中に放出される溶存酸素)の生成消滅を水中でその場計測して、物質変換のメカニズムを速度論的に解析する手法を開発した。開発した手法を用いて高活性光触媒として知られるタンタル酸ナトリウムやチタン酸ストロンチウムを計測し、学術論文10報を上梓し39件の学会発表をおこなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水を電子源として用いる(すなわち水を酸化して酸素をつくる)ことができなければ人工光合成は実用技術となりえない。人工光合成で水を還元して水素燃料を調達する、あるいは二酸化炭素を還元して炭素源として再利用する、いずれの場合も還元反応と当量の酸化反応が必要であり酸化反応に利用できる資源は水しかない。幸いなことに、紫外光照射によって高収率で水から酸素をつくる半導体光触媒を日本の研究者たちが次々に開発してきた。それらの光触媒はどうやって水から酸素をつくっているのか? この問いの答えることによって光触媒開発の学術的基盤を構築することが本研究の意義である。
|