研究課題/領域番号 |
19H00921
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
入江 一浩 京都大学, 農学研究科, 教授 (00168535)
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研究分担者 |
遠山 育夫 滋賀医科大学, 医学部, 理事 (20207533)
喜田 昭子 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (70273430)
徳田 隆彦 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 医長(任非) (80242692)
村上 一馬 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80571281)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,720千円 (直接経費: 34,400千円、間接経費: 10,320千円)
2022年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2021年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2020年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2019年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイドβ / 抗毒性ターン特異抗体 / 毒性オリゴマー / 分子内ジスルフィド架橋 / 有機化学 / ジスルフィド架橋 / 2量体 / 脳神経疾患 / 抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病(AD)の発症において重要な役割を果たしているアミロイドβタンパク質(Aβ)は、凝集により神経細胞毒性を示す。本研究代表者らは、Aβ42が中央部分で折れ曲がることにより毒性オリゴマーを形成するという「毒性配座理論」を提唱している。本研究ではAβ42の中央部分のターン構造を安定化させるべく、様々な位置で分子内ジスルフィド(S-S)架橋する。最適化した毒性配座モデルを2あるいは3価性リンカーで結合させ、これらに対するモノクローナル抗体を作製し、得られた抗体をシモア装置(1分子ELISA技術を用いた新規イムノアッセイプラットフォーム)に適用することにより超早期AD診断を目指す。
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研究成果の概要 |
アルツハイマー病の発症に重要な役割を果たしているアミロイドβは,中央部分でターン構造を取ることにより,高い凝集性と細胞毒性を示す.本研究では,この毒性ターン構造を17位および28位間の分子内SS架橋により固定することに成功し,そのペプチドを抗原として立体構造特異抗体(TxCo-1)を開発した.X線共結晶構造解析により,TxCo-1は毒性ターン構造を認識する初めての抗体であることが判明した.TxCo-1は,AD患者脳の老人斑を強く染色し,その染色像はN末端抗体とは異なっていた.また,顕著な細胞毒性を示す2および3量体モデルも設計し,毒性を示すために最適なリンカー構造と架橋位置を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究代表者は,42残基のアミロイドβ(Aβ42)に関する毒性配座理論(Aβ42の22, 23位でのターン形成によってTyr-10のフェノキシラジカルがMet-35の硫黄ラジカルを効率よく生成させ、それがC末端のカルボキシアニオンによって安定化されることにより疎水性コアを形成して凝集核となる)を提唱してきた.本研究では,この毒性ターン構造を野生型の配列で固定することにより,より生理的条件下に近い毒性オリゴマー構造を再現することに成功した.今回開発したTxCo-1抗体は,毒性オリゴマーに特徴的な配座を認識することから,超早期のアルツハイマー病の診断や治療薬シーズになることが期待される.
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