研究課題/領域番号 |
19H00924
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中谷 和彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70237303)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,630千円 (直接経費: 35,100千円、間接経費: 10,530千円)
2021年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2020年度: 15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2019年度: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
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キーワード | リピート病 / 結合分子 / 化学修飾 / 修復酵素 / DNA / リピート / 異常伸長 / シトシン / リピート配列 / 低分子 / リピート短縮 / デアミナーゼ / 短縮 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究「リピート結合分子によるリピート短縮誘導活性化」は、トリヌクレオチドリピート病の原因となる「異常伸長した(CXG)nリピートの短縮誘導を加速する新規リピート結合分子」の開発を目的とする。具体的には、異常伸長リピートに特異的に結合し、リピート配列が形成するヘアピン内のシトシンをウラシルへ化学的に変換する反応を加速する分子の創成を目指す。リピート長の短縮を誘導するリピート結合分子は、リピート配列の遺伝的不安定性のメカニズムを探る分子ツールを提供すると同時に、リピート病の発症や進行を抑える治療法の端緒となることが期待される。
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研究成果の概要 |
我々が開発したリピート短縮効果は、転写の際に形成されるスリップアウト構造を固定することで、DNA修復因子による認識に影響を及ぼし、結果としてリピート長が短くなると考えられた。このことに着想を得て、「異常伸長した(CXG)nリピートの短縮誘導を加速する新規リピート結合分子」の開発を目的とした。CGGリピート結合分子をモデルに求電子活性なエポキシ基をもつNCD-epoxyを合成したが、化学的に不安定であった。一方、シトシンデアミナーゼであるAPOBECファミリー蛋白質を用いることにより、リピート配列上のシトシンが基質となることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脆弱X症候群、ハンチントン病、筋強直性ジストロフィーなどのリピート病は、ヒトゲノム中のリピート配列の異常伸長や異常挿入を原因とする遺伝性の神経変性疾患であり、リピート伸長抑制による発症抑制等の根治療法や症状緩和等のQOL改善法が待ち望まれている。本研究はこれら不治の疾患に対する治療介入の手法として、リピート結合分子の効果を基礎化学的な側面から検討したものである。今回合成した分子には化学的な安定性と高い化学反応性という相反する性質が求められたため、望む化合物を得ることはできなかったが、より精緻な分子設計により克服することができれば、難治性疾患に悩む多くの方の一助となると考えられる。
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