研究課題/領域番号 |
19H00944
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
青木 考 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 教授 (30344021)
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研究分担者 |
星野 敦 基礎生物学研究所, 分野横断研究ユニット, 助教 (80312205)
横山 隆亮 東北大学, 生命科学研究科, 講師 (90302083)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,500千円 (直接経費: 35,000千円、間接経費: 10,500千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2020年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2019年度: 16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
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キーワード | 寄生植物 / ネナシカズラ / 探索糸 / 比較ゲノム / インビトロ吸器培養系 |
研究開始時の研究の概要 |
寄生植物とは「植物に寄生する植物」であり、世界中で農産物に被害を与えている。寄生植物は養水分を宿主から吸収するために宿主と自身の組織をつなげる。このために付着器ならびに吸器という特殊な器官を形成するが、それらがどのように形成されるかに関しては、寄生植物特有の仕組みがあることが示唆される。寄生植物による被害を抑制するには、接続過程に関する分子・細胞レベルでの理解が必要であるが、こうした研究はこれまでに無い。そこで本研究では、接続に必要な吸器を培地上で形成できる新規培養系、ならびに非寄生性近縁植物種との比較ゲノム解析を用いて寄生植物による接続機構の解明を行い、新規防御法へとつなげる。
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研究成果の概要 |
寄生植物アメリカネナシカズラが、相手の植物に寄生する時に付着し相手植物と接続するためのいくつかのメカニズムが明らかになった。第一に、寄生の初期過程に粘着性細胞壁多糖の生成と、相手の細胞壁の分解に関わるCcERF52A/B転写因子を同定した。第二に、寄生に必要な吸器という器官の発生を制御する接触刺激の感受に必要なイオンチャネル遺伝子を同定した。第三に、吸器の成長と通導要素になることがサリチル酸で抑制された。第四に相手植物と細胞同士で繋がる事を制御している転写因子を候補化できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
寄生は細菌から動植物に至る様々な生物に見られる現象であるが、すべての場合において寄生する生物と寄生される生物、すなわち宿主、は物理的な接触をもつ。「植物に寄生する植物」である寄生植物も例外ではなく、寄生植物はまず宿主植物と物理的に接触し、組織や細胞のレベルで相手と接続をつくることで水や養分を奪う。本研究の成果は、この付着や接続に関わる遺伝子、ホルモン等の要因を明らかにしたもので、これらの成果は寄生植物による農作物への被害を持続的な方法で制御するために役立つ期待される。
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