研究課題/領域番号 |
19H00950
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今井 友也 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (90509142)
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研究分担者 |
田島 健次 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00271643)
姚 閔 北海道大学, 先端生命科学研究院, 名誉教授 (40311518)
藤原 孝彰 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (70712751)
近藤 辰哉 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 研究員 (40965969)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,370千円 (直接経費: 34,900千円、間接経費: 10,470千円)
2022年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2021年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2020年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2019年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
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キーワード | セルロース / セルロース合成酵素 / 高分子構造制御 / タンパク質構造-機能相関 / 生物素材構造-機能相関 / タンパク質機能 / 構造生物学 / 膜タンパク質 / タンパク質複合体 / バイオマス形成 / タンパクータンパク相互作用 / 状態制御 / 機能欠損体作出 / 高分子 / 酢酸菌 / 複合体タンパク質精製 / ターミナルコンプレックス / タンパク質科学 / 合成生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
木材やセルロースに代表されるバイオマスは高分子材料の一つであり、天然性の低環境負荷材料として近年注目されている。さらに興味深いのは、汎用高分子製品(いわゆるプラスチック)が熱や溶媒存在下で形成されるのに対して、バイオマスは常温常圧水中で形成される点である。したがって木材やセルロースなどバイオマス形成の解明という基礎研究は、学術的に新規かつ面白いだけではなく、今までと全く異なる視点から高分子構造制御の技術開発のシーズをもたらしうる。本研究ではセルロースを研究対象として、生物のもつ高度な高分子構造制御であるバイオマス形成機構の解明を目指す。目的達成のために生化学と高分子科学の両面から研究を進める。
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研究成果の概要 |
セルロース合成酵素の持つ高分子構造制御機構の解明を行うべく、バクテリア由来のセルロース合成酵素(Bcs)を実験モデルとして構造・機能解析を行った。Bcsは複数のタンパク質(サブユニット)が集合して機能する複合体構造だが、その生化学的な解析から、サブユニット間相互作用は静的なものではなく、状態に応じて変化する動的なものであることを実験的に示した。また関連サブユニットのX線結晶構造解析にも成功した。 機能再構成については、精製Bcsタンパク質を使ったセルロース合成酵素活性の試験管内再構成に成功した。本系は、天然セルロース合成活性の再構成およびその機構解明のための実験基盤として今後活用する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セルロースは複数の分子鎖が集合してできた結晶性繊維だが、複数ある結晶構造の中で、天然のセルロースは例外なく最も結晶弾性率の高い「セルロースI型」結晶であることが経験的に知られている。このことは、セルロース合成酵素は能動的にセルロースの集合構造を制御して、その物性を最も高めた構造を作っていると言える。しかも常温常圧水系溶媒の中でである。本研究はこのセルロース合成酵素のもつ驚愕の高分子構造制御機構を構造的・機能的に解明するために、セルロース合成酵素タンパク質に正面から取り組んだ課題であり、本研究により多くの実験資源の整備など大きな進捗を得ることができた。
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