研究課題/領域番号 |
19H00964
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
片桐 成二 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (00292061)
|
研究分担者 |
柳川 洋二郎 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (20609656)
杉浦 智親 酪農学園大学, 獣医学群, 助教 (40828258)
奥山 みなみ 大分大学, 医学部, 助教 (50756781)
平山 博樹 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (60390861)
永野 昌志 北里大学, 獣医学部, 教授 (70312402)
田上 貴祥 北海道大学, 農学研究院, 助教 (70709849)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2020年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2019年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
|
キーワード | 低受胎 / 乳牛 / 子宮 / 上皮成長因子 / Toll様受容体 / レプチン受容体 / 不妊症 / 低受胎牛 / オステオポンチン / 精漿 / TLR / 不妊 / 病態解析 / 治療 / 牛 / 病態 / リンパ球 / サイトカイン / リピートブリーダー牛 / リピートブリーディング |
研究開始時の研究の概要 |
現在の乳牛は、泌乳能力の向上の代償としてその多くが「病気ではないが健康とはいえない状態」にあり、妊娠しにくい牛となっている。研究代表者は、その原因を調べる中で一見正常で臨床検査により不妊の原因を特定できない不妊牛(乳牛全体の約5%)において子宮での上皮成長因子(EGF)発現に異常がみられることを明らかにし、次いで精漿中の蛋白がこの異常を解消することを報告した。本研究では、この治療処置をさらに一歩進めるために、精漿蛋白が子宮でのEGF発現を正常化する機序を解明する。最終的には、本技術を人工授精技術と組み合わせることで受胎性の低下した乳牛の繁殖成績改善に大きく貢献する技術に発展させる
|
研究成果の概要 |
乳牛の子宮でのEGF濃度異常における内分泌及び免疫系の役割を検討した。まず、生殖機能と栄養状態をつなぐIGF-I及びレプチンの効果を調べたところ、いずれも異常牛と正常牛の間で血中濃度に差異はなかった。しかし、レプチン受容体の発現は異常牛で亢進しており、治療への抵抗性とも関連することが分かった。次に、治療前後での血中及び子宮中のサイトカイン発現を比較したところ、治療後に炎症系サイトカインの一過性の発現亢進がみられたが、治療成績との関連はみられなかった。しかし、自然免疫と関係するTolI様受容体の発現亢進が治療への抵抗性と関連することが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮でのEGF濃度異常と免疫系、とくにToll様受容体を介した自然免疫系の関連が示されたことにより、従来から試みられてきた内分泌系を標的とした治療法に加えて、Toll様受容体を標的とする新たな予防及び治療法の開発に道が拓けた。低受胎牛の問題は、学術的にはその対策に手詰まり感が感じられていた問題であり、この発見は関連する栄養学、管理学及び臨床獣医学の各分野での研究の活性化につながることが期待される。
|