研究課題/領域番号 |
19H00968
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
前田 真吾 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80755546)
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研究分担者 |
内田 和幸 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (10223554)
藤井 渉 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40708161)
播谷 亮 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任教授 (80355172)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,330千円 (直接経費: 34,100千円、間接経費: 10,230千円)
2022年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2021年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2020年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2019年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / ポドサイト / 腎障害 / 凝固因子 / マウスモデル / 蛋白尿 / クロストーク / トランスレーショナルリサーチ / 糸球体障害 / 腎臓病 / 腎不全 / 糸球体 / プロテアーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病の患者数は年々増加し続けているが、効果的な治療法は存在しない。近年、腎糸球体におけるポドサイトと血管内皮細胞の相互作用(クロストーク)の破綻が慢性腎臓病を進行させることが明らかとなり、新たな治療標的として注目されている。 申請者は、①血液凝固因子がポドサイトを刺激することで糸球体障害を加速させること、②血管内皮細胞がこの経路を阻害することで糸球体障害の進行を防いでいることを示す予備知見を得た。本研究ではこの新たなクロストーク機構の証明に挑戦し、慢性腎臓病のバイオマーカーの開発や糸球体障害の進行を阻止する治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
Protease-activated receptor-2(PAR-2)は凝固因子ⅦaおよびⅩaによって活性化される受容体である。慢性腎臓病ではリガンドとなる凝固因子VIIa/Xa活性が亢進していることから、PAR-2活性化が慢性腎臓病の進行過程に関与しているのではないかという仮説を立てた。 野生型およびPAR-2遺伝子欠損マウスを用いて複数の腎障害モデルを作製し、尿細管障害および糸球体障害の程度を比較したところ、ポドサイトに発現するPAR-2が慢性腎臓病における糸球体障害や蛋白尿の発症に重要であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果より、慢性腎臓病の病態においてPAR-2が尿細管障害ではなく糸球体障害に重要であり、特にポドサイトに発現するPAR-2が糸球体障害の悪化に関与する可能性が明らかとなった。その機序において従来示唆されていた炎症誘導作用に加えて、PAR-2が細胞周期停止を促進し細胞分裂を抑制することでポドサイトの糸球体からの脱落を進行させる可能性が示された。糸球体障害の進行過程においてポドサイトの脱落は不可逆的であるため、その阻止は糸球体障害の治療において極めて重要である。本研究により明らかとなったPAR-2シグナルによるポドサイト脱落機構は、慢性腎臓病の新規治療法の確立につながると考えられる。
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