研究課題/領域番号 |
19H00976
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 敏之 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (30273858)
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研究分担者 |
柴田 琢磨 東京大学, 医科学研究所, 助教 (30554505)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
45,890千円 (直接経費: 35,300千円、間接経費: 10,590千円)
2021年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2020年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2019年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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キーワード | 自然免疫 / 構造生物学 / Toll様受容体 / クライオ電子顕微鏡 / 構造生物 / Nod様受容体 / TLR / X線結晶解析 |
研究開始時の研究の概要 |
自然免疫システムは病原微生物感染に対する重要な生体防御のシステムである。自然免疫を誘導する病原体センサーは膜結合型のToll様受容体 (TLR)と細胞質局在型のNod様受容体 (NLR)に大別される。本研究では、これまで断片的な構造情報しか得られていないTLRおよび数例の報告しかないNLRに焦点を当て、構造科学的側面からシグナル伝達機構の全体像を明らかにする。さらに、これまでの構造学的解析より得られた、TLR7ファミリーの制御に核酸代謝関連分子が関与するという新規の知見を活かし、TLR7ファミリーにおける新規の活性制御機構を明らかにすると共にTLR7が関与する疾患の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
自然免疫は病原体の感染をいち早く察知し炎症反応を引き起こす一方、後に続く獲得免疫を誘導するという極めて重要な役割を果たす。本研究では自然免疫に関わるタンパク質に注目し、リガンド認識機構、活性制御機構を明らかにすることを目的とした。細胞質型の自然免疫センサーとしてADP結合型のNOD2の構造解析に成功し、詳細な構造を明らかにした。またLRRドメインにリガンド結合部位と思われる領域を同定した。また一本鎖核酸を認識する膜結合型の自然免疫センサーであるTLRの構造研究にも取り組みその共通性を見出した。さらにmRNAの安定性を制御するRoquin-2の構造解析にも成功しそのRNA認識機構を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NLRの構造は数例に限られており、NOD2の構造情報はNLRの活性化機構を解明するうえで重要な情報となる。すでに構造解析されているNLRの一つNLRC4と比べてもドメイン配置が大きく異なることが初めて明らかにされた。一本鎖核酸を認識するTLRが有する共通性「リガンド結合部位が2ヶ所あり別のリガンドが各部位に結合することにより協調的に活性化する」を解明したことは大きなインパクトを与えた。特にTLR7,8は低分子化合物によって活性化されることが知られており、立体構造情報はあらたな化合物開発に多大な貢献を示すと考えられる。
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