研究課題/領域番号 |
19H00981
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
篠原 彰 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00252578)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
45,760千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 10,560千円)
2021年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2020年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2019年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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キーワード | 相同組換え / ゲノム安定化 / 減数分裂 / DNA2重鎖切断修復 / RAD51 / DMC1 / 染色体 / ゲノム編集 / 生殖細胞 / DNA修復 |
研究開始時の研究の概要 |
DNA相同鎖検索反応に関わる2つのRecAホモログRAD51, DMC1の一本鎖DNA複合体形成の動的に制御を介した、相同組換えのパートナー選択に代表される組換え径路の選択や特異性の産出の仕組みの分子基盤を統合的に理解することを目指す。特にヒトRAD51-DNA複合体をRAD51メディエーターとアンチリコンビナーゼに制御する因子に焦点を当て、生化学的、構造生物学的に解析することに加え、ヒト細胞とマウス個体レベルの組換え反応の解析する。また、減数分裂期特有の、相同染色体間での組換えパートナー選択の仕組みの解明のために、出芽酵母の減数分裂型Dmc1の集合を助ける因子群の構造、生化学的解析も実施する
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研究成果の概要 |
相同組換えはDNA修復を介して、ゲノムの安定化やゲノムの多様性の産出に必須の役割を果たす。組換えに中心的な役割を果たすRAD51の1本鎖DNA複合体の集合を制御する新規因子FIGNL1, AAA+ ATPaseの機能をヒト細胞やマウスを用い解析したところ、FINGL1はRAD51-DNA複合体を破壊する活性を持つことが分かった。また、FINGL1の生殖腺特異的ノックアウト(KO)マウスは減数分裂期組換えに欠損を持ち、RAD51/DMC1の異常な局在を示す。FINGL1がRAD51/DMC1の正と負の2つの役割を持つことが分かり、相同組換えの新しい制御の仕組みを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は相同組換えのブレーキ役のタンパク質・遺伝子(FIGNL1)の新しい機能を愛からにしました。この因子を生殖細胞で失うと、配偶子を形成できなくなります。このタンパク質の機能を明らかにすることで、生体内でのDNA同士の交換反応である相同組換えを適切に制御する新しいメカニズムを解明しました。相同組換えの機能不全による不妊や異数体病の原因解明や診断・治療方法の開発につながることが期待できます。また、今回発見した組換え因子を人工的に制御することで、ゲノム編集の最適化など幅広い応用が可能であると考えられます。
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