研究課題/領域番号 |
19H00983
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福井 宣規 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (60243961)
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研究分担者 |
宇留野 武人 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (80532093)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
44,590千円 (直接経費: 34,300千円、間接経費: 10,290千円)
2021年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
2020年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 遺伝子発現 / 生理活性脂質 / 生体機能 / 酵素 / 生理活性資質 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者は、SULT2B1bによって生成されるコレステロール硫酸(CS)が、免疫細胞の遊走や活性化に重要なRac活性化因子であるDOCK2の触媒ドメインに会合し、その機能を阻害することを見出した。本研究では、SULT2B1bの遺伝子発現制御機構を解明し、その発現を個体レベルでモニターできるレポーターマウスを開発すると共に、妊娠時の胎盤や子宮、がん組織等を対象に、SULT2B1bを介したCS産生の免疫回避における機能的重要性を実証する。
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研究成果の概要 |
DOCK2は、リンパ球の遊走・活性化に不可欠なRac活性化分子であり、その変異はヒトにおいて重篤な免疫不全症を発症する。研究代表者は最近、硫酸基転移酵素SULT2B1bによって生成されるコレステロール硫酸(CS)がDOCK2の内因性阻害物質として機能することを見出した。本研究では、がんを対象に解析を行い、1) 大腸がんといった特定のがんではCSの産生が亢進している事:2) CSを産生するがん細胞では、産生しないがん細胞と比較して、抗腫瘍免疫や免疫チェックポイント阻害に抵抗性を示す事を明らかにした。そこで、化合物スクリーニングを実施し、SULT2B1bの選択的阻害剤候補を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、新しいがんの免疫回避メカニズムの理解につながるものであり、その学術的意義は大きい。また現在、免疫チェックポイント阻害やCAR-T細胞療法に加え、iPS細胞を用いてがん特異的T細胞を増幅・移入する試みもなされているが、こららの免疫療法が効果を発揮するには、T細胞ががん組織に浸潤することが必要である。本研究の成果により、臨床応用可能なSULT2B1b阻害剤が開発され、がんの免疫回避環境を破壊することができれば、その社会的、経済的インパクトは大きいと期待される。
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