研究課題/領域番号 |
19H00995
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 (2020-2022) 国立遺伝学研究所 (2019) |
研究代表者 |
角谷 徹仁 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (20332174)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2022年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2021年度: 17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2020年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2019年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | DNAメチル化 / ヒストン修飾 / クロマチン / トランスポゾン / エピゲノム / エピジェネティクス / シロイヌナズナ / エピゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
エピゲノム動態を理解し、操作するには、抑制と抗抑制の両面を知る必要がある。しかしながら後者(抗抑制)の理解は遅れている。私達は、DNAメチル化に影響するシロイヌナズナの変異体を用いた遺伝学とゲノミクスによるアプローチから、個体発生やゲノム動態に重要な2つの新奇エピゲノム抗抑制経路を見出してきた。本課題では、これまでの蓄積を生かし、これら抗抑制経路の全貌を解明する。独自の研究素材とアプローチを生かしながら、エピゲノム制御という普遍的な生命現象の理解に貢献できると信じる。
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研究成果の概要 |
(1)シロイヌナズナの抗抑制因子であるH3K9脱メチル化酵素IBM1の変異体で誘発される発生異常を抑圧する変異としてH3K4me1脱メチル化酵素LDL2を同定していた。もう一つのH3K4me1脱メチル化酵素FLDが転写伸長を負に制御すること、またこれらと構造の類似したLDL3がH3K4me2を脱メチル化する活性が転写と共役していることを見出した。(2)H3K9meの確立にはCGメチル化が必要なことを示した。(3)トランスポゾンのコードする抗抑制タンパク質VANCとDNAの相互作用様式を原子間力顕微鏡および結晶解析で明らかにした。また、VANCの標的がRNAiの標的であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
塩基配列以外の形で遺伝子のON/OFF情報が継承されるエピゲノム制御は個体発生、環境応答、ゲノム進化などの重要な生命現象に関与する。活性のある領域と不活性な領域とにエピゲノムが分化することは、遺伝子の適切な発現を保証するのに加え、トランスポゾンなどの反復配列を安定的に抑制するのにも重要である。本課題では、シロイヌナズナのヒストン修飾やDNAメチル化に関与する変異体、およびトランスポゾンのコードする抗抑制因子を用いた遺伝学およびゲノム学アプローチで、抑制と抗抑制経路の理解を大きく進めた。これらの成果はエピゲノムの理解につながると期待できる。
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