研究課題/領域番号 |
19H01003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
北野 潤 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 教授 (80346105)
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研究分担者 |
石川 麻乃 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (20722101)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
45,370千円 (直接経費: 34,900千円、間接経費: 10,470千円)
2021年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2020年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2019年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
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キーワード | 進化 / 適応進化 / クロマチン / 種分化 / 適応放散 / 適応 / ゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
未開拓の新規ニッチへの進出は、新しい資源の利用を可能にし、その後の適応放散を誘導しうる。一方、新規ニッチに進出できなかった分類群も存在するが、新規ニッチへの進出能の違いを生む遺伝基盤は殆ど未解明である。新規ニッチへ進出できる系統とできない系統の違いは何であろうか?研究代表者らは、淡水進出して多様化を遂げた系統とできなかった系統を含む日本産トゲウオをモデル系としてこの問いに挑む。
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研究成果の概要 |
日本のトゲウオ科イトヨ属において淡水進出は氷河期・間氷期のサイクルに生じて複数回のウェーブ状で起こったことが示唆された。免疫に関与するPSMB81、甲状腺ホルモンシグナルに関与するUGT2などがトゲウオのみならず淡水魚で増幅している傾向を見出した。複数のトゲウオ集団についてゲノムのアセンブリを行い、種間や集団間で、複数の染色体構造変異を見出した。これらの一部は、これまでに淡水適応に重要として同定されたゲノム領域と重複していた。種間・集団間で異なるクロマチン状態を示す領域を複数見出し、淡水適応遺伝子の上流にも見出すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新規環境への適応がどのような遺伝的変異によって生じるのか、どのようなゲノム構造を持った生物がそのような適応能力が高いのかを知ることは、気候変動への生物の応答を予測したり、育種・養殖への応用技術を考える上で重要な情報である。本課題では、魚類、特にトゲウオに着目して、海から淡水への進出に重要な遺伝子を複数見出した。その一部は、複数の魚類種で共通性が見られた。そのような適応遺伝子の変異と染色体構造との関係性が示唆された。
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