研究課題/領域番号 |
19H01042
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
岡澤 均 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50261996)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
45,630千円 (直接経費: 35,100千円、間接経費: 10,530千円)
2021年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2020年度: 14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2019年度: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
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キーワード | 神経変性疾患 / アルツハイマー病 / 前頭側頭葉変性症 / ネクローシス / 変性拡散 / 神経変性 / 変性拡散仮説 / 死細胞・生細胞間シグナル伝達 / 認知症 / YAP / HMGB1 / TRIAD |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は以下の3点である。1)神経変性疾患における新規ネクローシスの時間軸上の定義を行う。2)新規ネクローシスに至る上流の病態機序を解明する。3)ネクローシス細胞が引き起こす下流シグナル『変性拡散』の概念確立を目指す。本研究によって、細胞死が単に複数病態が最終的に帰結する終末段階であるという、受動的な『終末期細胞死仮説』から、早期に細胞死が起きて周辺神経細胞の病態カスケード(機能障害経路など)を刺激して変性を拡散・加速するという、能動的な『早期細胞死依存的な変性拡散仮説』にパラダイムシフトすることが出来る。すなわち、神経変性疾患の細胞死についての基本的コンセプトが修正される。
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研究成果の概要 |
本研究『死細胞・生細胞間シグナル伝達による変性拡散仮説の確立と応用』は、はじめに、新規ネクローシス(TRIAD)を鋭敏に検出するマーカー分子pSer46MARCKSを活用して、アルツハイマー病などの病態時間軸における新規ネクローシスの時期を特定した。次に、生化学的手法、遺伝学的手法、細胞生物学的手法などを用いて、新規ネクローシスに至る上流分子経路を解明した。さらに、ネクローシス細胞膜分子変化あるいはネクローシス細胞の放出分子が、周辺の神経細胞等に引き起こす下流分子経路(2次的細胞変性)を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上記の解析を疾患横断的に実施・比較することで、得られた結果に基づいて、神経変性疾患における新規ネクローシスの時間軸上の位置付けを定義すると同時に、死細胞・生細胞間シグナル伝達の観点から『変性』の新たな概念を樹立することができた。また、最終的に、シグナル経路遮断を行い、細胞レベル、個体レベル(病理および認知機能等の行動解析)で回復が見られるかを検討したところ、候補となるシグナル経路の病的意義を実証することができた。これにより、従来の戦略とは異なる治療法の開発が可能となった。
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