研究課題/領域番号 |
19H01045
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 国際医療福祉大学 (2020-2021) 九州大学 (2019) |
研究代表者 |
吉良 潤一 国際医療福祉大学, 医学研究科, 教授 (40183305)
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研究分担者 |
松下 拓也 九州大学, 大学病院, 講師 (00533001)
山崎 亮 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10467946)
藤井 敬之 九州大学, 大学病院, 医員 (30822481)
緒方 英紀 九州大学, 大学病院, 助教 (90778838)
磯部 紀子 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60452752)
萬谷 博 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (20321870)
海田 賢一 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 准教授 (40531190)
渡邉 充 九州大学, 医学研究院, 助教 (30748009)
中村 優理 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40822375)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
45,890千円 (直接経費: 35,300千円、間接経費: 10,590千円)
2021年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2020年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2019年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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キーワード | 神経免疫疾患 / 脱髄疾患 / 多発性硬化症 / 慢性炎症性脱髄性多発神経炎 / 自己免疫 / 遺伝子 / 環境因子 / アトピー / アトピー性脊髄炎 / 自己抗体 / ノド抗体 / 神経障害性疼痛 / 神経内科疾患 / 慢性炎症性脱髄性多発神経根炎 / NF155 / PlexinD1 / 抗核抗体 / 遺伝環境リスク / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
慢性脱髄疾患として中枢神経を侵す多発性硬化症(MS)と末梢神経を侵す慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)が代表的である。私達は神経根肥厚を呈するCIDPで、IgG4抗NF155抗体が陽性で、全例がMSのリスク遺伝子と同じHLA-DRB1*15を保有することを発見した。また、MS類縁疾患のアトピー性脊髄炎で抗Plexin D1抗体が陽性であることを見出した。MSの環境リスクとしてピロリ菌感染や米食の減少を同定した。本研究では慢性脱髄疾患を対象とし遺伝環境リスクを背景に病態特異的自己抗体の産生を伴う自己免疫が成立する過程を解明し、病態バイオマーカーの確立とモデル動物作成による新規治療開発を行う。
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研究成果の概要 |
抗原未同定の慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)において、IgG4クラスの新規ノド抗体を発見し、その責任抗原としてパラノード蛋白LGI4を同定することに成功した。抗LGI4抗体陽性CIDPは、高齢発症で感覚性失調を呈し、髄液蛋白が著明に高値となること、亜急性発症でギラン・バレー症候群様の病型と慢性発症で著明な神経根肥厚を呈する病型の二つがあることを明らかにした。既知抗体が陰性の多発性硬化症(MS)と視神経脊髄炎(NMO)において、マウス視神経を用いた組織免疫染色法を開発し、IgG3クラス主体の新規抗ノド抗体を発見し、ごく最近、責任抗原候補を同定することに成功し、受け身移入実験を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗原未同定の慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)において、新規ノド抗体とその責任抗原を同定し得たことにより、ランビエノドを標的とする自己抗体介在性ノドパチーの病態解明が進むことが期待できる。抗ノド抗体陽性例では、免疫グロブリン大量静注療法単独では有効性が乏しいことから、ステロイド剤や免疫抑制薬を早期から併用する必要がある。本研究成果は、CIDPの診断と治療ガイドラインの改訂に大きく貢献すると期待される。また既知抗体が陰性の多発性硬化症(MS)と視神経脊髄炎(NMO)において、世界初の抗ノド抗体を発見した意義は極めて大きい。責任抗原候補を同定できたので、病態解明が大きく進展すると期待できる。
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