研究課題/領域番号 |
19H01047
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
金 吉晴 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所, 所長 (60225117)
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研究分担者 |
栗山 健一 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部, 部長 (00415580)
堀 弘明 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 行動医学研究部, 室長 (10554397)
関口 敦 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 行動医学研究部, 室長 (50547289)
喜田 聡 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80301547)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,370千円 (直接経費: 34,900千円、間接経費: 10,470千円)
2021年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2020年度: 17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2019年度: 14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
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キーワード | 海馬 / 恐怖記憶 / PTSD / メマンチン / トランスクリプトーム / 睡眠 / PTSD / treatment / molecular / アーキロドプシンT |
研究開始時の研究の概要 |
PTSDに対する効率的で負担の少ない治療法開発へのニーズは近年高まっている。齧(げっ)歯類において発見された恐怖記憶の「固定化」、「不安定化」、「再固定化(再貯蔵)」「消去」の機構を踏まえ、海馬神経新生促進因子、経皮脳刺激による海馬の不活性化をヒトのPTSD治療に応用する。治療反応性を規定する要因として、睡眠・断眠の影響、免疫・炎症系分子の発現変動、免疫・炎症系に関連する分子ネットワーク全体の変化、HPA系に関する遺伝子発現を解析する。ヒトと齧歯類の比較検討を通じて、治療効果の精細な検討のみならず、恐怖記憶形成の分子病態を解明し、新規治療薬、治療法の開発につなげる。
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研究成果の概要 |
ヒトとマウスの比較を通じて、PTSDのトラウマ記憶の本質を解明し、治療と診断に役立てようとしている。恐怖記憶想起後の海馬トランスクリプトーム解析から、PTSD患者末梢血と類似した発現変動を示した遺伝子群が同定されてきたため、定量的RT-PCR法を用いてその発現を詳細に解析した。その結果、RNA-Seqにおいて観察された発現変動が海馬において確認され、さらに、同様の結果がマウス末梢血においても観察された。またPTSD治療におけるメマンチンの有用性を検討するオープン臨床試験では、目標症例数の9割に相当する18例の実施を完了した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これらの成果はPTSDの新規治療法開発ならびに本態解明に貢献しうるものである。PTSD患者の悪夢の治療を目的とした、メマンチン治療前後のPTSD患者の脳MRI縦断データ11例からはメマンチン投与後に右海馬~前帯状皮質及び島皮質の回路の増強が、閾値下ではあるが認められた。今後の応用として睡眠中の匂い刺激による悪夢の治療・緩和法の開発に着手し、睡眠中の音刺激による記憶消去促進効果を利用したPTSD治療法のパイロットスタディを進めている。
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