研究課題/領域番号 |
19H01051
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 勇人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (40398615)
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研究分担者 |
谷口 智憲 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (40424163)
舩越 建 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (80365353)
山上 淳 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80327618)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,500千円 (直接経費: 35,000千円、間接経費: 10,500千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2020年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2019年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
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キーワード | 免疫寛容 / 免疫制御 / T細胞 / 天疱瘡 / 自己免疫疾患 / 免疫寛容機構 / がん免疫療法 / デスモグレイン3 / コレステロール代謝 / 腫瘍免疫 / 免疫制御機構 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫寛容機構の解明は自己免疫疾患の制御に役立つだけでなく、免疫寛容機構が障害となっているがん免疫療法の強化に直結する。本研究計画では、申請者が独自の実験系で同定した新しい二つの免疫制御機構に焦点を当て、その分子機構を解明することで自己免疫皮膚疾患および悪性腫瘍の治療に応用することを目的としている。特に、両機構の最大の特徴が共に、抗原特異的に活性化したT細胞レパトアの『除去』であり、その応用は自己反応性T細胞の根絶、あるいは新たな抗腫瘍T細胞レパトアの生存・獲得を可能とする。既存の治療法では成し得ない、革新的治療コンセプトをもった疾患制御法の基盤確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、様々な免疫寛容機構のうち、我々が同定した機構を詳細に解明し、自己免疫疾患の治療やがん免疫療法の強化に役立てることを目的としている。特に末梢組織で機能する免疫寛容機構が抗原特異的に機能し、自己反応性T細胞を除去することを明らかにし、その仕組みの一端として、制御性T細胞が発現するOX40という分子が重要であることを明らかにした。さらに、この機構は繰り返し機能する際には、より効率良く病的T細胞を除去でき、免疫寛容機構の記憶の存在が示唆された。さらに、コレステロール代謝に関連する分子に関して、がん免疫のブレーキ役となる分子を同定した。本成果は、難治性疾患やがんの治療に役立つことが期待された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ヒト自己免疫疾患で標的とされている自己抗原に対する抗原特異的な末梢性免疫寛容機構の一端をマウスモデルで明らかにできた点が、人工的に作成された従来の自己免疫モデルでの成果と大きく異なる。特に、今回明らかにできた制御性T細胞が発現するOX40分子が重要な分子であった点は、今後の免疫疾患治療戦略上、有益な成果であったと考えられた。また、本研究を通じて、免疫制御機構とコレステロール代謝の接点を明らかにできた。従来知られてこなかった、コレステロール代謝を利用した免疫制御機構を明らかにでき、今後の疾患制御法開発の戦略に新たな研究領域を確立できたことは、学術的にも大きな意義があった。
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