研究課題/領域番号 |
19H01054
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小川 佳宏 九州大学, 医学研究院, 教授 (70291424)
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研究分担者 |
国府島 庸之 九州大学, 医学研究院, 准教授 (00650748)
宮澤 崇 九州大学, 大学病院, 講師 (30443500)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
45,890千円 (直接経費: 35,300千円、間接経費: 10,590千円)
2021年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2020年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2019年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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キーワード | NASH / ミトコンドリア / 細胞間相互作用 / マクロファージ / シングルセルトランスクリプトーム解析 / hCLS / C型レクチン受容体 / 一細胞遺伝子発現解析 / 肝実質細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病・肥満を背景としてNASHあるいはNASH肝癌の罹患率が急増しており、脂肪肝からNASHを経てNASH肝癌を発症する一連の経時変化を踏まえたNASHの病態解明と予防・治療戦略の開発は喫緊の課題である。研究代表者らは既に、ヒトの病態に酷似した新しいNASHマウスの開発に成功し、過剰な脂肪蓄積により細胞死に陥った肝実質細胞をマクロファージが取り囲んで貪食・処理する特徴的な組織像であるhCLSが起点となって炎症の慢性化と線維化を誘導することを報告した。本研究では、hCLSに着目し、NASHマウスを用いた基礎研究と臨床検体を用いた臨床研究によりNASHとNASH肝癌の発症・進展機構を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は、NASHの肝臓で観察される特徴的な組織像であるhCLSに着目し、肝実質細胞と間質細胞の細胞間相互作用の観点より、NASHの病態の解明を目指すものである。本研究により、肝細胞死の観点より、ミトコンドリア分裂に関与するMffがNASHの発症・進展に関与することを見出した。一方、NASHマウスの肝臓を用いたシングルセルトランスクリプトーム解析により、NASHの発症・進展過程において増加するマクロファージ細胞集団を同定した。更に、hCLSを形成する間質細胞を高効率に回収する手法を確立し、hCLSを形成する細胞集団を標的にしたシングルセルトランスクリプトーム解析に向けて基盤技術を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、糖尿病・肥満患者の増加や超高齢社会を背景として、NASHあるいはNASH肝癌の罹患率が急増している。NASHは肝不全や虚血性心疾患の発症に関連するため、脂肪肝からNASHを経て胞癌を発症する一連の病態変化の解明と予防・治療戦略の開発は喫緊の課題である。本研究により、我々が独自に開発したヒトNASH病態に酷似した新しいNASHマウスを用いて、肝実質細胞とマクロファージあるいは線維芽細胞などの間質細胞の相互作用に着目して、脂肪肝からNASHを経て肝癌を発症する一連の経時変化と分子機構を明らかにすることができ、現在有効な治療法がないNASHに対する医学応用の手掛かりが得られた。
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