研究課題/領域番号 |
19H01057
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大段 秀樹 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (10363061)
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研究分担者 |
田原 栄俊 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (00271065)
田原 裕之 広島大学, 病院(医), 助教 (30423354)
田中 友加 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (90432666)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
45,760千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 10,560千円)
2021年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2020年度: 16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2019年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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キーワード | 癌免疫回避 / 制御性B細胞 / ネオアンチゲン / 糖鎖抗原 / 癌免疫 / 免疫回避 / B細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、PD-L1/L2を発現したB-1細胞およびIL-10/TGF-βを産生するBreg 細胞が臓器移植後のT細胞性免疫応答を抑制していることを解明した。この発見は、専ら拒絶反応を促進すると考えられていたB細胞の中に、アロ抗原特異的にT細胞を抑制し拒絶を回避させる抑制性B細胞サブセットが存在することを意味する。本研究では、この移植免疫領域のパラダイムシフトが、癌関連ペプチド抗原や糖鎖抗原を標的とする腫瘍免疫機構にも該当あるいは関連するか否かを解明する。すなわち、ネオアンチゲンに対するT細胞応答の免疫回避機構に抑制性B細胞が果たす役割を解明し、その制御法を開発する。
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研究成果の概要 |
異好性癌関連糖鎖抗原に応答するB細胞は、ミエロイド系の表現型を示し、強い貪食能を持つB-1細胞に分類され、T細胞の活性化を特異 的・非時的に抑制する機能が備わることを確認した。B-1細胞は、B細胞受容体BCRに結合した癌細胞膜を選択的に取り込み(レセプター依 存性エンドサイトーシス)、糖鎖抗原と共に表出する癌蛋白抗原が小胞内で酵素により分解され、抗原ペプチドに分解された後にMHC class I/II 分子によって細胞表面に抗原提示され、T細胞受容体を介して抗原を認識したT細胞を機能抑制させること、そして、B-1細胞への分化にはTLR-MyD88シグナル伝達が関与することを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
B細胞は、抗体産生や抗原提示機構に加えて多彩な免疫制御機構が備わる。我々は、ミエロイド系の表現型を示すB-1細胞が、臓器移植後のT細胞性免疫応答を巧妙に抑制していることを解明した。この発見は、専ら拒絶反応を促進すると考えられていたB細胞の中に、アロ抗原特異的にT細胞を抑制し拒絶を回避させるユニークな表現型を示す抑制性B細胞サブセットが存在することを意味する。本研究では、移植免疫領域のパラダイムシフトが、癌関連ペプチド抗原や糖鎖抗原を標的とする腫瘍免疫機構にも該当することを解明したものである。すなわち、癌蛋白抗原に対するT細胞応答の免疫回避機構に抑制性B細胞が果たす役割を解明した。
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