研究課題
基盤研究(A)
前立腺癌を含む各種癌疾患に対する新規治療法の開発は癌治療の分野で喫緊の課題であり、学術的に新しい切り口での癌創薬が求められている。本研究では、前立腺癌の悪性進展とAndrogen不応性のKeyとなるシグナル分子群の細胞内輸送における知見を踏まえ、癌細胞を中心とする各種細胞において、REIC/Dkk-3、SGTA、Tctex-1、Dyneinモーター、Dynaminおよび細胞骨格因子が関わる細胞内分子輸送システムの制御機構を解明する。
各種の癌細胞を用いた研究にて、Dynaminおよびその関連分子群の細胞骨格動態に関する機能の解析を行い、成果を得た。また正常細胞を用いた研究では、糸球体足細胞におけるDynaminと微小管の関係についての研究を実施し、Dynaminが微小管束の形成に働き、結果として微小管を安定化させる可能性を見出した。一方で癌創薬の観点から、候補薬の内視鏡下生体内投与による作用機序解明のためのイヌを用いた動物実験の系を立ち上げ、新しい薬剤投与手技を用いて各種薬剤の薬効評価を実施することが可能となった。
前立腺癌の悪性進展とAndrogen不応性のKeyとなるタンパク質分子の細胞内輸送における独自の観点から、微小管輸送ダイナミクスの細胞内分子機構を解明し、新規治療・創薬標的を探索した。また、泌尿器科領域での臨床応用へと結び付けていくための大動物を用いたin vivo投与の研究手法を確立した。一方で本研究は、様々なタンパク質複合体の働きに焦点を当てて新たな知見の獲得を目指すものでもあり、細胞生物学的にも学術的意義が認められる。
すべて 2023 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
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