研究課題/領域番号 |
19H01066
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 (2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019-2021) |
研究代表者 |
高橋 政代 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (80252443)
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研究分担者 |
砂川 玄志郎 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (70710250)
万代 道子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (80263086)
Tu HungYa 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (10780835)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
46,540千円 (直接経費: 35,800千円、間接経費: 10,740千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2019年度: 27,170千円 (直接経費: 20,900千円、間接経費: 6,270千円)
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キーワード | 休眠 / 冬眠 / 組織保存 / 再生医療 / 低代謝耐性 / 日内休眠 / 組織保存法 / 網膜シート / 低温耐性 / 能動的低代謝 / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
再生医療の普及にはドナー組織の安定した供給に加えてドナー組織の安全な長期保存が不可欠である。しかし、未だに最適なドナー組織保存手法が確立されていない。2016年に当研究室で開発したマウスの低代謝状態を自在に誘導できる技術によって、哺乳類の低代謝研究は近代的な遺伝学的手法を駆使できる分野に変貌を遂げた。そこで、哺乳類が自然に備えている能動的低代謝(冬眠や休眠)を応用した革新的組織保存法の研究開発を行い、最終的に当研究室で製造しているヒトiPS細胞由来網膜シートを用いて保存能を評価する。再生医療がより多くの患者に行き渡るように、最先端の再生医療技術を基盤にドナー組織の新規保存法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
視床下部のQRFP陽性神経を興奮させて複数日の低代謝を誘導するQ神経誘導性低代謝(QIH)を開発した。これにより、任意のタイミングでマウスを冬眠様状態に誘導できるようになり、冬眠研究に大きく貢献した。次に、休眠表現型の異なるマウス系統由来のES細胞を用いて低温培養における代謝を観察し、STM2由来のES細胞は、他の系統と比較し低温培養時に解糖系の抑制が少ないこと、遺伝子発現解析で電子伝達系複合体の一部の遺伝子発現が抑制されていることを見出した。最後に、「温かい冬眠」を利用して、冬眠様マウスの臓器の遺伝子発現解析を行い、体温とは無関係に低代謝と相関する低代謝耐性遺伝子をリストアップした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では冬眠に代表される哺乳類の低代謝機構を応用した革新的組織保存法の開発を行った。自然界の休眠現象は研究開発に用いづらいため、本研究では人工的に冬眠様状態を誘導できる動物モデルを開発した。また、ゲノム背景が完全に異なる近交系マウスの休眠表現型から、細胞レベルの低温耐性が異なることを突き止めた。本研究で明らかになった冬眠モデルマウスやマウスES細胞の低代謝耐性は今後の組織保存法の開発の土台になるだけではなく、将来の人工冬眠技術の開発に向けて大きな前進であり、社会的意義は大きい。
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