研究課題/領域番号 |
19H01072
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
押谷 仁 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80419994)
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研究分担者 |
岡本 道子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10593981)
斉藤 繭子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (20598031)
神垣 太郎 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 室長 (80451524)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
43,680千円 (直接経費: 33,600千円、間接経費: 10,080千円)
2022年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2021年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2020年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2019年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | RSウイルス / 呼吸器ウイルス / コホート研究 / フィリピン / ザンビア / グローバル / 疫学 / 小児 |
研究開始時の研究の概要 |
今なお多くの小児が低・開発国で死亡しており、急性呼吸器感染症はその主要原因である。RSウイルスは世界のどの地域でも小児の重症急性呼吸器感染症の最も重要な原因である。RSウイルスに対しては、現在も実用化されたワクチンはない。ワクチン戦略を確立するための課題として疫学データが不足していることがある。本研究ではフィリピンにおけるRSウイルスのコホート研究を継続して実施するとともに、新たにカンボジア・ザンビアにおいてコホート研究を立ち上げ、RSウイルスの詳細な疫学研究を実施することで、特にRSウイルスの疾病負荷の高い中・低開発国で有効なワクチン戦略を確立するために必要なデータを提示することを目指す。
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研究実績の概要 |
2021年度はフィリピンで得られたRSウイルスの家族内伝播についての解析をさらに進めた。その結果、RSウイルスの伝播のほとんどは家族が感染してから7日以内に起きていることや、発症前にも伝播が起こりうること、さらには5歳未満の子どもには伝播が起こりやすいことなどを明らかにした。この解析はシンガポール大学のAlex Cook教授と共同で行ったもので、その結果はAmerican Journal of Epidemiologyに掲載された。フィリピンでのコホート研究の解析からRSウイルスはより重症化に関与していることを明らかにした(Clin Microbiol Infect. 2021)。また、コホート研究のデータを出生時からデータが得られている小児に限定して、出生コホートとして解析した結果でも、RSウイルスは重症例が多く、特に乳幼児期に重症例が多く発生していることが明らかになった(BMC Infect Dis. 2022)。ザンビアではRSウイルスの遺伝子解析を進め、ザンビアに固有の遺伝子型のウイルスが伝播していることを見いだした。RSウイルスに感染した重症および軽症の小児でのホスト遺伝子発現パターンを比較したところ、重症例ではT細胞応答に関わる遺伝子発現が低下していることを見いだした(Pediatr Res. 2021)。これらの結果は今後の低・中開発国でのRSウイルス対策を考える上で重要な知見であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19パンデミックにより渡航はできなかったが、既存のデータ解析を進めることができた。また、フィールドでの研究についてもウェブ会議などを通して進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
渡航制限が解除され次第、現地に赴き研究についての協議を行うことを計画している。
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