研究課題/領域番号 |
19H01161
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山路 恵子 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00420076)
|
研究分担者 |
市原 優 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (10353583)
井上 千弘 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (30271878)
春間 俊克 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 任期付研究員 (40836417)
石田 厚 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (60343787)
森 茂太 山形大学, 農学部, 客員教授 (60353885)
小川 和義 筑波大学, 生命環境系, 助教 (60375433)
菅原 一輝 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (60792405)
田村 憲司 筑波大学, 生命環境系, 教授 (70211373)
升屋 勇人 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70391183)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
43,030千円 (直接経費: 33,100千円、間接経費: 9,930千円)
2023年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2022年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2020年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2019年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
|
キーワード | 鉱山跡地 / 自生植物 / 土着微生物 / 重金属 / 植物 / 微生物 / 緑化技術 / 鉱山 |
研究開始時の研究の概要 |
鉱山跡地を対象とし、自生遷移初期草本および樹木を対象に、土着微生物と宿主植物との相互作用を利用した新たな緑化技術の開発を目指すものである。1)鉱山跡地に自生する遷移初期植物の生理特性を調査して鉱山跡地特有の生理生態を明らかにする。また、2)根圏微生物相を調査し、分離された各微生物株の生理特性を明らかにする。さらに植物への微生物接種試験を行うことで、細胞レベルから物質レベルまでの相互作用、および微生物の重金属無毒化物質を利用した宿主における重金属耐性のメカニズムを解明する。3)得られた知見を統合し、機能性微生物を利用した新たな緑化技術につなげる。
|
研究実績の概要 |
本年度の主要な成果として、1) 重金属耐性機構に関わる微生物種の解析の継続、2) 機能性微生物のカプセル包括方法の開発と現地接種試験、があげられる。1) 本年度は特に多くの鉱山跡地に自生が確認されているヨシ及びススキに着目し、その重金属耐性に関して機能性微生物が関与する耐性機構を明らかにすることができた。ヨシについては、重金属の蓄積性に関わる機能性内生細菌を根から分離し、蓄積性に内生細菌の産生する化合物が関与することを確認できたが、宿主への機能について今後明らかにする必要がある。ススキについては、坑廃水処理後に発生する高濃度の重金属を含む澱物を保管する集積場において自生が確認され、主要な機能性微生物を分離することができた。しかし、対象の調査地には重金属ストレス以外にも数種の環境ストレスが確認されたことから、今後は生理特性の把握も同時に実施することで、宿主への機能について明らかにする予定である。2) 機能性微生物のカプセル包括方法の開発をすることができた。使用したポリマーの強度によって、微生物の活性の減少が生じる可能性が明らかになり、その結果、最も良い重合条件及び包括条件を決定することができた。現在、機能性微生物を包括したカプセル及び未包括カプセルを、鉱山跡地に移植した自生植物(ススキ・ミネヤナギ)に接種することで、生長増加や重金属耐性の増強を確認する試験を、鉱山跡地3箇所で実施中であり、接種効果について継続的に確認していく予定である。その他、根における元素のイメージング解析、MALDI-TOF-MS装置での重金属毒性軽減に関わる化合物のイメージング解析、根の微生物の群集解析、根の呼吸を利用した生理特性の評価、電解処理による植物の反応などに関する事項についても、順調に実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度と比べるとコロナ禍で出張の中止は減ったが、調査地によっては困難な場合もあった。しかし、ほぼ予定通りの現地調査を遂行できた。実験室実験は予定通り遂行できた。以上より、「おおむね順調に進展している」と言える。
|
今後の研究の推進方策 |
現地データにおいて、一部、再検討が必要な結果であることが判明した。一部の研究対象地点においては、現地調査の再調査が必要だと考えている。現地調査の継続については、現地の担当者から承認を得ており、今後も実行可能な状態にある。
|