研究課題/領域番号 |
19H01186
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
Tobias Bauer 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (30398185)
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研究分担者 |
床谷 文雄 奈良大学, 文学部, 教授 (00155524)
山縣 文治 関西大学, 人間健康学部, 教授 (10159204)
阪本 恭子 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (20423098)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 赤ちゃんポスト / 内密出産 / 出自を知る権利 / 生殖補助医療 / ignorance studies(無知学) / ignorance studies (無知学) |
研究開始時の研究の概要 |
ドイツにおける匿名による子どもの委託の諸形態に関する議論を取りまとめ、ドイツの取り組みを範例とする日本における当議論にとって不可欠な、背景的な情報を提供するというのが、本研究の概要である。その際には、当該議論内で中核となる「出自を知る権利」に焦点を当て、同様に「出自を知る権利」が問題の核心となっている生殖補助医療(非配偶者間人工受精(AID)等)と比較しながら、両者の共通点と相違点についても考察していく。さらに、それらを踏まえて、とりわけ出自を「知らない」こと(ignorance)の社会学的・倫理学的意味を検討し、それを通して、日独両国における議論・研究に貢献することを目指していく。
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研究実績の概要 |
本年度は、交付申請書に記載した研究実施計画書に基づき、匿名による子どもの委託と生殖補助医療における出自を知る権利に関する比較研究を継続しながら、出自を「知らないこと」(ignorance)に関する社会哲学的・倫理学的研究を行った。 ①研究成果の発信:本年度も、本研究プロジェクトのメンバー各々が倫理学・法学・福祉学の各専門領域における日独比較を継続して行った。メンバー個々による研究発表や論文等に加えて、本年度は「比較家族史学会」との協力の元で、他の研究者と共同で同学会の第69回秋季研究会においてミニシンポジウム「〈産みの親〉と〈育ての親〉の比較家族史:妊娠・出産と出自をめぐる日独比較」を開催した。 ②出自を「知らないこと」(ignorance)の社会哲学的位置づけに関する研究:2020年度で得た倫理学・法学・福祉学の視点からの研究成果を活かし、匿名による子どもの委託と生殖補助医療の両問題において、(出自を)「知らないこと」が「家族」という概念と家族内の人間関係等にどのような影響を与えているか等について検討した。 ③倫理的評価における「知らないこと」(ignorance)の役割に関する研究:②における考察を踏まえて匿名による子どもの委託と生殖補助医療の両問題を倫理的に評価する際に、「知らないこと」が論拠としてどのように使用されているか、また、どのような機能を果たし得るかを考察し、「知らないこと」の倫理学上のステータスについて検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本プロジェクトは、概ね当初の予定通りに進捗した。開催したミニシンポジウムは、コロナ禍であることを受け、当該学会の会員だけではなく、非会員にも開放した形でのリモート開催となり、幅広く研究成果を発信することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、研究計画調書に記載した研究計画に基づき、研究を継続していく予定である。2022年度においては、日独比較研究による考察を踏まえて、日本の当該議論への応用と本研究の総まとめを行う予定である。開催予定の国際シンポジウムの開催については、コロナ禍の状況に応じて、リモート開催や延期等を含めて計画していく。
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