研究課題/領域番号 |
19H01192
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
天野 恭子 京都大学, 文学研究科, 京都大学人文学連携研究者 (80343250)
|
研究分担者 |
伊澤 敦子 国際仏教学大学院大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80724872)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 古代インド / ヴェーダ / サンスクリット語 / マイトラーヤニー・サンヒター / 原典校訂 / ヴェーダ写本 / 写本 / サンスクリット / ヴェーダ祭式 / ヴェーダ文献 / 写本校訂 / ヴェーダ語 |
研究開始時の研究の概要 |
古代インド祭式文献の中で、最も古い散文資料であるマイトラーヤニー・サンヒター(紀元前900年頃の成立)について、写本資料を用いた原典校訂本、および現代語訳(ドイツ語訳、英訳)を行う。同文献は、古代インドの社会と宗教を理解する上で、大変重要な資料でありながら、全訳がなされておらず、研究者にすら十分に利用されてこなかった。同文献の全訳は多くの研究者に待たれている。また、既存の校訂本(von Schroeder本;1881-86)は、現代の言語学的水準に照らして、多くの訂正が必要である。本研究は、これらの課題を解決すべく、同文献の基礎資料の完成を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究は、古代インドの宗教文献群ヴェーダ文献のうち、儀礼解釈の最も古い記述を含むマイトラーヤニー・サンヒターの基礎研究(原典校訂、現代語訳)を目的として行った。 1)原典校訂:新発見の写本合計38本を2021年度までに読み終え、原文解釈を行いながら批判校訂本を作成した。2)現代語訳:マイトラーヤニー・サンヒターのうち未訳である第3-4巻の散文(儀礼解釈)部分のドイツ語訳を作成した。3)これらの基礎研究をもとに、マイトラーヤニー・サンヒターの成立過程とその背景となるヴェーダ期社会の変遷について考察を進め、第18回国際サンスクリット学会(2023年1月)において、本テーマで特別部会を開催した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の対象であるマイトラーヤニー・サンヒターは、その古さと重要性にも関わらず、言語と内容の難しさによって専門研究者によってすら、十分に、また正しく研究に利用されてこなかった。本研究によって作成された、これまでの研究の誤りを多く訂正する新校訂本およびドイツ語訳は、ヴェーダ文献とヴェーダ期社会を通史的に研究することを可能にするものである。 マイトラーヤニー・サンヒターの未解読の部分を読解することにより、同文献の成立過程についての理解が大きく進んだ。デジタルヒューマニティ手法による研究との協働も相まって、ヴェーダ文献史の新しい議論の枠組みを提供し、通説を覆す知見を提示することができた。
|