研究課題/領域番号 |
19H01195
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 龍谷大学 (2020-2023) 京都文教大学 (2019) |
研究代表者 |
手嶋 英貴 龍谷大学, 法学部, 教授 (30388178)
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研究分担者 |
梶原 三恵子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (00456774)
高島 淳 東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (40202147)
井田 克征 中央大学, 総合政策学部, 准教授 (60595437)
藤井 正人 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (50183926)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | Kerala / kingship / ritual / South India / abhiseka / nandimukha / punyaha / Travancore / 祖霊 / ナーンディ―ムカ / プニヤアーハ / ケーララ / 灌頂 / トラヴァンコール / 南インド / 王権儀礼 / プラーナ / 新月満月祭 / ナーンディームカ / プニャアーハ / タントラ / ヴェーダ / シヴァージー / デーシャ・アーチャーラ / トラヴァンコール王家 / タントリ / アビシェーカ / イシュティ / ヴァードゥーラ / 儀礼 / ヒンドゥー / ヴァイディカ / ターントリカ / タミルナードゥ / タミル / マラヤーラム |
研究開始時の研究の概要 |
インド土着の宗教伝統であるヴァイディカ(ヴェーダ系)とターントリカ(ポスト・ヴェーダ系)の両者は、それぞれ異なった儀礼体系を持つ。しかし近現代の儀礼を見ると、ヴェーダ儀礼は随所にターントリカ的要素を、またターントリカ儀礼もヴァイディカ的要素を含んでいる。これらは両者間に様々な相互影響があったことを示す点で重要だが、従来の研究で看過されてきた。本研究は、現地で双方の諸儀礼を調査し、相互影響の具体例を抽出する。そして中近世儀軌文献と照合し、それが生じた経緯を解明する。その上で、両伝統が権威や価値を補いあい、それによって社会的・文化的活力を維持する「相互補完的関係」にあるという視点を提示したい。
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研究成果の概要 |
主要な研究成果は以下の3つにまとめられる。 ①南インドでヴェーダ儀礼とタントラ儀礼という両伝統にまたがって行われている「ナーンディームカ」「プニヤアーハ」という二種一組の家庭儀礼を調査し、当該儀礼の歴史的形成、およびその文化史的意義を相当程度明らかにした。②南インドに広く領土を有したトラヴァンコール王室の儀礼のうち「王灌頂」に頂点をあて、学界初となる儀軌写本の校訂テキスト・和訳を作成し、インド各地にある王灌頂儀軌と比較するための基礎を築いた。③ケーララ州においてヴェーダとタントラという両儀礼伝統を維持する家系、組織、共同体を調査し、現実の人々と諸儀礼の関わりの実態を相当程度明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究では、タントラ儀礼の一部が、ヴェーダ儀礼をその起源とするものの、基本的に、理念と形式双方においてヴェーダ儀礼と異なる発展を遂げたと考えられてきた。それに対し本研究では、ヴェーダ(ヴァイディカ)とタントラ(ターントリカ)という両伝統が、現実のインド社会では、理念と形式、それを維持する人的組織において区別されながら、様々な局面で相互に影響を及ぼしてきた事実を明らかにした。そうした新知見の解明に加え、専門家同士の協力が十分といえなかったヴェーダとタントラという両研究領域の結合可能性を明示し、今後のさらなる領域横断的研究の礎を置いたことも、本研究が有する学術的、社会的意義と言えよう。
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