研究課題/領域番号 |
19H01196
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
戸田 聡 北海道大学, 文学研究院, 教授 (20575906)
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研究分担者 |
高橋 英海 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20349228)
青木 健 静岡文化芸術大学, 文化・芸術研究センター, 教授 (50745362)
武藤 慎一 大東文化大学, 文学部, 教授 (90321455)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | キリスト教 / 新約聖書 / シリア語 / ギリシア語 / アルメニア語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究「シリア語キリスト教圏における宗教伝承と文字文化の関係の研究」は、キリスト教=教典宗教という紋切り型の見方への重要な修正をもたらすべく、シリア語キリスト教が実は、古来文字文化を有する文化圏の中にありながら、かなり長期間(5世紀前半に至るまで)、自らの言語たるシリア語への翻訳文書という形では教典を有しなかったのではないか、つまり言い換えれば、シリア語キリスト教の(他言語を解さない)一般信者たちにとって、教典は長らく口頭翻訳――いわゆるタルグム――の形でのみ知られていたのではないか、という仮説の当否を検討することを目的とする研究である。
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研究成果の概要 |
本研究は、シリア語新約聖書の伝承に関する通説の批判的再検討(より具体的には新説の提唱)により、シリア語キリスト教圏における宗教伝承と文字文化の関係の再検討にまで議論を及ぼすことを狙いとした。見通しとして有したのは、古くから文字文化が存在すること自体は必ずしも宗教伝承の文字化を自動的にはもたらさないのではないかという理解(別言すれば、パレスティナで見られたようなタルグム的伝統がシリア語キリスト教圏にも見られたのではないか、という理解)である。ただ、諸般の理由で、研究は最終目的地よりかなり手前で停滞し、現在なお継続中である。今後さらなる研究継続を通じて、助成を受けたことへの責任を果たす所存である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在までのところ、本研究の成果は通説批判といった形でまだ論文化への途上段階の形式で存在するため、具体的な成果物を示すには残念ながら至れていない。とはいえ、本研究を進める中で今後の研究体制のあり方について深い反省ができたこと、及び、本研究遂行の過程で予算執行により種々の研究文献を購入できたことなどにより、従来我が国での研究蓄積が極めて乏しい本計画の研究分野においても、研究の継続に関して或る程度の見通しがついたことは大変幸いだった。助成を得たことによってこれらの進展が可能となったわけであり、科学研究費の助成には心から感謝を申し上げたい。今後さらに研究を進めて、社会への研究成果還元を図っていきたい。
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