研究課題/領域番号 |
19H01203
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
青木 滋之 中央大学, 文学部, 教授 (50569069)
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研究分担者 |
小城 拓理 愛知学院大学, 総合政策学部, 准教授 (10733040)
後藤 大輔 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助手 (90835399)
下川 潔 学習院大学, 文学部, 教授 (40192116)
瀧田 寧 日本大学, 商学部, 准教授 (10784663)
武井 敬亮 福岡大学, 経済学部, 准教授 (90751090)
竹中 真也 中央大学, 人文科学研究所, 客員研究員 (50816907)
中野 安章 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 講師 (40896940)
沼尾 恵 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 准教授 (20709232)
渡邊 裕一 熊本学園大学, 経済学部, 准教授 (60848969)
柏崎 正憲 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (90737032)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 啓蒙主義 / イングランド / イングランド啓蒙 / 理性 / 批判的知性 / アイルランド啓蒙 / ジョン・ロック / ハチソン / ウィリアム・モリニュー / フランス啓蒙 / ジョン・トーランド / 思想史 / 開かれた理性 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちが当たり前のよう思っている<近代的>な考え方―偉い人の言い分を自分の「知性」で「批判的」に考えることが大切であるが、他方、個人的な思想信仰に我々は「寛容」であるべきで、政治的な発言は誰もが「平等」に行えるべきものである、といったもの―が、17世紀後半のイングランドでどのように生まれ、私たちの近代社会を支えるようになったのか。それを、分野別ではなく学際的に総合的に明らかにする研究である。
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研究実績の概要 |
最終年度にあたる2021年度では、これまでの研究成果を発表する論文集の計画、打ち合わせ、「イングランド啓蒙」での研究会を主として行った。論文集の計画内容としては、イングランド実験哲学の流れ、トマス・モアからジョン・ロックまでの労働観、新大陸での所有権の展開、ジョン・ロックの認識問題、カドワースの人間観、ウィストンの自然神学、ロックの「試みること」の意義、トマス・ペインと自然権概念、トーランド以降の理神論の展開、といったものに渡った。 その間、イングランドからアイルランドまでの美と徳についての感覚主義をグループで共有するために、ハチソン『美と徳の観念の起源』をレジュメ担当者を決めて輪読した。 年度末に、研究成果発表として、日本イギリス哲学会第45回研究大会で「17 世紀イングランドでの新旧哲学の融和と変容―信仰・理性・経験」というタイトルのセッションを行った。発表題目は、「カドワースの知性と情念」、「ジョン・ロックの認識問題」、「聖書釈義と自然哲学―W.ウィストンのニュートン主義自然神学」というもので、17世紀中葉から末までの新旧哲学の対立を扱ったものであった。 以上のような研究は、これまでと同様、定期的なイングランド啓蒙研究会の開催により遂行してきたが、その要旨は「イングランド啓蒙研究会」ブログで随時発信してきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度では、これまでの研究成果を文章化し、論文集の出版に向けたレジュメ発表まで進めることができた。本研究課題である「イングランド啓蒙への学際的アプローチ」というタイトルが主張する、政治-宗教-哲学-科学-教育論といった横の学問のつながりについて、様々な分野の研究者が集う本研究課題ならではの学際的な研究を進めることができた。例えば普段、哲学や科学の話題に触れない政治哲学思想史の研究者や、逆に、宗教や政治哲学に疎遠な哲学や科学思想史の研究者も、お互いの研究成果に習熟することで、この時代のイングランド啓蒙の全体像について、従来の研究よりもより包括的な理解を得ることができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度では、2020年度と続きコロナによるパンデミックの影響で、海外から研究者を招聘してディスカッションする機会が得られなかったが、本研究課題の「イングランド啓蒙への学際的アプローチ」の成果を、国内の学会や海外からの研究者招聘を交えて、公開していきたい。目下、イングランド啓蒙に関する国内初の論文集の公刊に向けて「イングランド啓蒙研究会」での発表を重ねてきたが、その成果を国内学会のワークショップでオープンに議論し、各方面からの批判に耐えられるようなものへと鍛え上げていきたいと考えている。
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