研究課題/領域番号 |
19H01209
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
樋笠 勝士 岡山県立大学, デザイン学部, 特任教授 (10208738)
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研究分担者 |
大橋 容一郎 上智大学, 文学部, 教授 (10223926)
河合 大介 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (10625495)
桑原 俊介 上智大学, 文学部, 准教授 (30735402)
岡本 源太 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (50647477)
井奥 陽子 東京藝術大学, 美術学部, 助手 (60836279)
津上 英輔 成城大学, 文芸学部, 教授 (80197657)
小田部 胤久 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80211142)
高橋 陽一郎 日本大学, 文理学部, 教授 (80333102)
田中 均 大阪大学, COデザインセンター, 准教授 (60510683)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | フィクション / 複数世界 / 詩学 / 虚構 / バウムガルテン / 可能世界論 / 感性的美学 / 弁論術 / 虚構論(フィクション論) / 複数世界論 / 修辞学(弁論術) / 感性論的美学 / 虚構論(フィクション論) / 修辞学(弁論術) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、古典美学から始まる詩学的伝統による「虚構論」と、形而上学的伝統による「複数世界論」ないし「可能世界論」とが近代のバウムガルテン美学において交叉するという史的立脚点にたち、両論を系譜的に辿ることでバウムガルテン美学の体系性に理論的かつ歴史的基礎づけを行うと共に、交叉によって成立した虚構世界論の展開をロマン主義美学において系譜的に研究する。同時に歴史的視点をもたない現代のフィクション論への架橋をも狙いフィクション論を活性化させ、さらには現代美学の課題である「芸術」一般の虚構性の問題と虚構作品に存する異世界性の問題に理論的一般性を与えることで美学への学的貢献を意図する。
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研究成果の概要 |
哲学には「複数世界論」がある.例えば「知性界」と「感性界」という二世界説や,世界創造論から導かれた「可能世界」論がある.他方で,詩や文芸においては,例えば「イリアスの世界」として理解される「作品世界」がある.これらは「虚構世界」として「現実世界」から区別される.哲学と文学は異なる立場に立ちつつも「世界」概念をもつ点で共通するが,両者が思想史的に交叉する歴史的地点がある,それは哲学的理論を根拠にしながら文学の「フィクション」論を構築した西洋近代のバウムガルテンである.本研究は,「複数世界論」と「詩学的虚構論」との交叉を主題とし,バウムガルテンと,その以前以後について系譜的に研究したものである.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的社会的意義としては,バウムガルテン哲学美学については世界的に研究成果が少ない中,日本において初めてバウムガルテン哲学美学を中心にした本格的な系譜的研究が実現したと言える.哲学では古代哲学から主題とされてきた「フィクション」の存在論的問題に対して初めて概念史的解答を与えることになったと共に,美学でもバウムガルテンが唱えた感性学の目的とその本質的理解を導くことになった.そこから「フィクション」の存在性格は,哲学が理論的に構築する世界の存在性格と同様に,観念的構想と意味内容に応じて存立することが明確となり,世界や人間把握を共通目的とする哲学と文学の両輪形式が改めて把握しなおされることとなった.
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