研究課題/領域番号 |
19H01211
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水野 裕史 筑波大学, 芸術系, 准教授 (50617024)
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研究分担者 |
沖松 健次郎 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 課長 (30332133)
守屋 正彦 筑波大学, 芸術系, 名誉教授 (90272187)
鷲頭 桂 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課, 主任研究員 (90590448)
林 みちこ 筑波大学, 芸術系, 准教授 (40805181)
楢山 満照 女子美術大学, 芸術学部, 准教授(移行) (30453997)
勝木 言一郎 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 上席研究員 (50249918)
塚本 麿充 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00416265)
尾川 明穂 筑波大学, 芸術系, 准教授 (20630908)
山澤 学 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60361292)
井川 義次 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50315454)
秋山 学 筑波大学, 人文社会系, 教授 (80231843)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 東アジア / 儒教美術史 / 道徳 / 孔子 / 帝王学 / 聖蹟図 / 歴聖大儒像 / 帝鑑図 / 勧戒画 / 勧善戒悪 / 倫理 / 林鵞峰 / 儒教 / 仏教絵画 / 維摩居士 / 善女龍王 / 倫理観 / 孔子図 / 三教図 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題は、東アジアに共通する倫理観の形成に、美術がどのように作用したのかを解明するものである。具体的には、儒教に基づき制作された美術を対象に、その成立地と波及地における様式的変容について、「時代・地域・国家統制」の三視点を中心に、全体像を追究する。また、これまでの儒教に関する美術主題の事例研究の成果を発展的に統合し、本課題の成果を研究資源として運用することで、新たな「儒教美術史」という領域を構築する。
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研究実績の概要 |
本課題は、新たな「儒教美術史」という領域を提唱することを目的とする。そのために、これまでの儒教に関する美術主題の事例研究の成果を発展的に統合し、儒教美術の成立地と波及地における様式的変容について、全体像を追究する。本年度もCOVID-19の流行に伴い、海外・国内調査の延期をしたが、下半期において当初の予定よりも研究を進めることができた。 (1)聖廟調査:佐賀県多久聖廟の調査をおこなった。 (2)作品調査:「聖蹟図」(多久市先覚者史料館)、狩野典信「孔子像」(福岡県立修猷館高等学校)、狩野常信「五聖賢像賛」(尼崎市立歴史博物館)等を調査した。日本に所在する儒教美術について、成立地である中国との図様の同一性と変容について確認し、有益なデータを得ることができた。 (3)展覧会における公開:研究成果の一部を特別展「孔子をまつる―歴聖大儒像の世界」(2022年11月、筑波大学附属図書館)にて公開した。 (4)講演・シンポジウム:上記の展覧会に合わせて11月3日に代表者の水野が、「狩野山雪「歴聖大儒像」の伝来と魅力 」と題する講演をおこなった。また、11月5日に「徹底解剖!!狩野山雪「歴聖大儒像」」をオンラインにて開催した。国内外から40名の参加者があり、年度末にはシンポジウムの成果報告論文集を刊行した。2023年3月18日には、台湾・中央研究院にて国際会議「東亞儒教藝術研究學術工作坊」を中央研究院との共催にて実施した。研究代表者の水野、分担者の塚本、鷲頭、楢山が研究発表をおこない、パネルディスカッションをおこなった。これらの内容は次年度以降に書籍として刊行する予定である。 (5)研究資源化:博物館や美術館が公開している収蔵品データベース、展覧会図録などから儒教美術に関する情報を博捜し、儒教美術データベースを作成している。また、展覧会図録とシンポジウム報告論文集の2冊を刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究は、東アジア諸地域の儒教の礼拝空間に顕れた「かたち」について、その研究資料と成果を資源化し、国際的な学術的研究拠点の構築を目指すものである。資源化として、2回の国際シンポジウムの開催、1冊のシンポジウム報告論文集を刊行でき、目標達成に向けて大きく進展したと判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、COVID-19の収束が見えてきたこともあり、海外調査を中心におこなう。具体的には、夏頃にベトナム・ハノイの文廟、秋に山東省曲阜の孔廟を調査し、日本の孔子廟との比較をおこなう。また、これまで実施した日本各地の孔子像調査を継続し、本年度は新潟県・佐渡市、山形県米沢市、長野県中野市等の孔子像の調査をおこなう予定である。成果公開として、6月27日から8月6日の日程で、東京国立博物館にて、「儒教の美術―湯島聖堂由来の絵画・工芸を中心にして(仮)」と題する展覧会を開催する。また、年度末には、成果論文集を発行し、研究成果を広く一般に公開する。
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