研究課題/領域番号 |
19H01213
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
櫻庭 美咲 神田外語大学, 日本研究所, 講師 (20425151)
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研究分担者 |
荒川 正明 学習院大学, 文学部, 教授 (70392884)
野上 建紀 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (60722030)
J・J Delaunay 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (80376516)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 美術史 / 工芸史 / 考古学 / 東西交流史 / 国際共同研究 / 陶磁史 / 保存科学 / 修復 / 文化財科学 / 東西交流 / 国際交流 |
研究開始時の研究の概要 |
ザクセン選帝侯アウグスト強王がドレスデンの「日本宮」を飾るために収集した日本磁器の研究を目的とする。強王は、膨大数の中国、日本製の磁器コレクションを形成。日本製は約1250点が今もなお現存する(主に17~18世紀の伊万里焼)。 本研究では、その悉皆調査を行い、以下の3課題に取組む。①18世紀前期輸出磁器に関する製作地の考古学的把握と日本伝統意匠の研究、②磁器に施された漆塗り装飾の材料と製作技術の研究、③「日本宮」における日本表象を対象とする美術史的受容史研究。 本研究の主要な成果は、国際共同研究プロジェクトが編纂する英文の強王コレクション総目録に掲載され世界に公開される。
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研究成果の概要 |
本研究は、ザクセン選帝侯アウグスト強王が18世紀に収集した日本陶磁を対象に現地で行った悉皆調査の成果を軸に、主に以下の点を明らかにした。Ⅰ)アウグスト強王旧蔵の東洋磁器コレクション(推定約8,000点)のうち、約1,200点は有田産の磁器、その内約7割は金襴手様式である。Ⅱ)有田・赤絵町出土陶片と強王旧蔵品を比較検討し、赤絵町遺跡の層位的な相対的年代と、強王旧蔵品の所蔵品目録に基づく年代的変遷は基本的に一致することを実証的に証明した。Ⅲ)1721-27年の所蔵品目録を調査し、強王旧蔵品の日本磁器の内容と照合することにより、当該期間の日本宮における日本磁器の陳列方法を再構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アウグスト強王コレクションは、現存数約8,000点という規模と、18 世紀の所蔵品目録と王の没年により入手下限を1733年迄に限定しうる史料的価値から、世界屈指の基準資料と謳われてきた。 しかし本コレクションについて、これまで目録と日本陶磁の関係把握を基に全体像を捉える包括的研究は皆無だった。それゆえ本研究が、18世紀の目録に登録されたことが明らかな日本陶磁の全容を把握し、網羅的に収録する目録をまとめ公開したことは至大な意義をもつ。さらにこの成果が、ドレスデン国立美術館のオンライン・カタログを通じ国際的に向け発信され、活用される学術的・社会的意義は計り知れない。
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