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自然科学的調査手法を用いた黄檗様彫刻の国内受容と変容に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H01214
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分01060:美術史関連
研究機関関西大学

研究代表者

長谷 洋一  関西大学, 文学部, 教授 (60388410)

研究分担者 大山 幹成  東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00361064)
島津 美子  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10523756)
岡田 靖  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 准教授 (40401509)
松島 朝秀  高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (60533594)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
キーワード黄檗様彫刻 / 日本人仏師 / 康伝・友学 / 康祐 / 中国人仏師
研究開始時の研究の概要

本研究は、近世彫刻における黄檗様彫刻を対象にその特徴が国内で伝播する過程で、具体的な様相を明らかにした上で、黄檗様彫刻の影響を評価する研究である。
本研究では、長崎・京都での明人仏工による彫刻作品、以後の黄檗様彫刻を制作した七条仏師康祐、彼の子息(康傳、友学)の彫刻作品を研究対象とする時間軸を設定し、個々の作品を対象に目視観察等の調査による造形的特徴の把握と並行して透過X線撮影による構造技法の分析、樹種同定・年輪年代測定、赤茶色系下地や盛上輪郭線など下地・加飾の材料分析、色彩・色材調査の自然科学的手法による調査を行い、各作品の基礎的情報を得た上で黄檗様彫刻の伝播とその影響について明らかにする。

研究成果の概要

萬福寺像は、クスノキを使用し頭体幹部は縦材一材で内刳りを施さない構造であった。表面の加飾技法は金箔層の下に鉛丹層があることが判明し、衣の文様からは鉛を検出した例を多く認めたため文様には鉛白の使用が考えられる。福厳寺四天王像・韋駄天像は、体幹部をヒノキ材の左右二材製とし、像前面、股下、両側面、背面等に材を寄せる変則的な箱組み構造であった。加飾技法は、酸化鉄を含む赤色の下塗りに金箔を貼ると考えられた。宝林寺像もヒノキ材で体幹部前面材と背面材の間に中間材を挟み込み両側面材で構成する構造で、金と鉄を検出したことから漆箔とみられ、限定的に鉛を検出した箇所もあり、下塗りに使用した顔料に違いが認められた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

范道生作の萬福寺像は広葉樹の大木を丸彫りに近い技法で彫刻している。同寺隠元像は既に楠井氏が内刳りのあることを確認されたが、十八羅漢像は内刳りをしない点から范道生の彫刻技法が一様ではなかったと考えられる。福厳寺像や宝林寺像は、構造面から体幹部を正面三材と背面材とする箱組み構造、体幹部を左右二材で組み寄せて内刳りする一般的な寄木造、その他の構造に分類でき、特に福厳寺四天王像・韋駄天像と宝林寺韋駄天像は、構造、加飾技法から同一仏師の造像と考えられる。康祐・康倫の様式が異なる点や特殊な箱組み構造から康祐とともに萬福寺に出入りした仏師による製作の可能性が考えられる。

報告書

(4件)
  • 2022 研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 仏師「富小路友学」再攷2022

    • 著者名/発表者名
      長谷洋一
    • 雑誌名

      関西大学東西学術研究所紀要

      巻: 55 ページ: 37-54

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「照月寿光信女と近世七条仏師」2020

    • 著者名/発表者名
      長谷洋一
    • 雑誌名

      『アジア遊学』

      巻: 245 ページ: 181-195

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-01-30  

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