研究課題/領域番号 |
19H01215
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
|
研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 |
研究代表者 |
土屋 貴裕 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 室長 (40509163)
|
研究分担者 |
安永 拓世 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化財情報資料部, 室長 (10753642)
恵美 千鶴子 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 室長 (60566123)
古川 攝一 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 研究員 (70463297)
井並 林太郎 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部企画室, 研究員 (80747329)
鷲頭 桂 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課, 主任研究員 (90590448)
小林 達朗 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化財情報資料部, 室長 (10342940)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
|
キーワード | 日本美術史 / 日本絵画史 / 文化財 / 絵巻 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は天災や戦災等によって失われた日本古代・中世の絵巻をを可能な限り掘り起こし、これらの絵巻作品を改めて日本絵画史のなかに位置付け、その文化史的な意義を問い直すことを最終的な目的として設定する。 具体的には、失われた古代・中世絵巻の存在を、絵巻模本や日記等の古記録、売立目録などの調査研究を通じて復原し、作品の伝来という観点に着目しながら、その総合的把握を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究は、天災や戦災等によって失われた日本古代・中世の絵巻を可能な限り探求することを第一の課題設定している。その上で、美術作品の伝来という観点に着目しながら、これらの絵巻を個別作品の閉じられた研究に留めることなく、広く日本絵画史のなかに位置付け、その文化史的な意義を改めて問い直すことを最終的な目的として設定した。具体的には、絵巻模本や日記等の古記録、売立目録などの調査研究を通じ、失われた古代・中世絵巻の総合的把握を目指すものである。本年度は以下の成果を上げることができた。 (1)古代中世の文献資料に記載された絵巻関係資料の抜き出しとデータ化:本研究が主な対象とする古代中世絵巻の伝来、鑑賞情報を得るためには、日記、古記録等の文献資料を博捜し、そこに記載された本文を整理する必要がある。抜き出しにあたっては、絵巻のみならず仏画、肖像画、屏風等、絵画関係の記事をピックアップし、その一部をデータ化した。 (2)東京国立博物館所蔵絵巻模本の調査:絵巻模本の多くは近世に作られたが、その制作に際して、所蔵者や伝来等の情報が記されている場合がままある。本研究では、東京国立博物館所蔵絵巻模本の悉皆調査を目指し、目録の整理、撮影、所蔵者や伝来、模写者等の情報を収集すべく、模本リストの整理を継続して行った。今年度は特に近代の絵巻模本を対象とした。 (3)調査・研究の展示での公開:上記の調査・研究の成果の一部は、代表者土屋、分担者惠美・古川が中心となって、東京国立博物館で実施した「創立150年記念特集 東京国立博物館の模写・模造ー草創期の展示と研究ー」(9月6日~10月30日)で公開した。本展については図録も刊行した(全120ページ)。 (4)講座での研究成果公開:上記特集にあわせ「東博150年の歴史と模写・模造」と題する月例講演会を開催し、土屋、惠美、古川が発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
科学研究費助成事業5年計画の4年目である本年度は、当初計画に則り、文献資料記載絵巻関係資料の抜き出しとデータ化、絵巻模本の調査という、本研究推進にあたっての基礎作業を着実に進めることができた。あわせて、調査・分析の成果公開を展覧会、公開講座という形で実施できたのは大きな成果と言える。 ただし、新型コロナウィルスの影響により、各所属機関以外での外部調査を実施することは十分にかなわなかった。代わって代表者、分担者各自の所属機関の関連作品の調査研究を重点的に進め、研究論文、発表、展示等にその知見を生かすことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に則って、次年度も引き続き、調査研究を進めていく。 本研究は絵巻作品全体の伝来などの情報を探ることを目的としているが、前年度に続き次年度も、分担者を中心に外部研究者も交え、特定作品を取り上げ、集中的に調査研究を深めるような機会を設けられればと思っている。 加えて次年度は最終年度となるため、これまでの成果を特別展、特集展示等で公開できるよう、準備を進めている。
|