研究課題
基盤研究(B)
①日本語話者の自閉症スペクトラム障害(以後ASD)児/者及び定型発達児/者の話し言葉のコーパスを基に、選択体系機能言語学(SFL)の理論的枠組みによる語彙-文法資源の選択網を作成し、ASD児/者が選択する語彙-文法資源と定型発達児/者のそれを対照し、ASD児/者の言語資源の選択網を作成する。②①で得られたシステムネットワーク(選択網)を基に、ASD児/者の言語選択のアルゴリズムを作成し、ASDの言語脳解析及び言語セラピーへの適用を目指す。③①のコーパスに対応する英語話者のASD児/者及び定型発達児/者のコーパスを構築し、選択網の対比マッピングを行い、日英語の語彙-文法資源選択の対照研究を行う。
自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder:ASD)者の語彙-文法資源の選択をマッピングするために加藤 (科研費No.26284060) において作成した日本語話者であるASDと定型発達者の話し言葉のコーパスのデータの拡張及びアノテーション・スキームの精緻化を行い、得られる情報量を大幅に増やした。さらに、そこからASD者の語彙-文法資源選択のアルゴリズム作成への基盤として、自動アノテーションのためのアルゴリズムを作成した。また、英語話者と日本語話者のASD者の語彙-文法資源選択を比較対照できるよう、日本語版コーパスと同じ構成の英語版を作成を行った。
ASDの核となる症状は、社会的コミュニケーションと対人的相互作用における困難であるが、原因として共通してあげられるのが語用論的障害である。この語用論的障害について、先行研究では、モダリティ、関係詞など単発の文法資源を扱ったものはあっても、全容をマッピングしたものはないため、ASD特有の語彙-文法資源選択の包括的なマッピングを実現することは、言語と認知の関係を明らかにし、また言語発達遅滞の見られるASD児の言語訓練への早期介入に道標を示すものとなる。また、語用論一般の理論形成に、認知機能の側面からの見解を提示するものとなる。
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