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推論過程の言語化における地域語のダイナミクスに関する研究:九州方言を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 19H01262
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関立命館大学

研究代表者

中田 節子 (有田節子)  立命館大学, 言語教育情報研究科, 教授 (70263994)

研究分担者 江口 正  福岡大学, 人文学部, 教授 (20264707)
岩田 美穂  就実大学, 人文科学部, 准教授 (20734073)
前田 桂子  長崎大学, 教育学部, 教授 (90259630)
中田 一志  大阪大学, 日本語日本文化教育センター, 教授 (90252741)
松浦 年男  北星学園大学, 文学部, 教授 (80526690)
原田 走一郎  長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (00796427)
平塚 雄亮  中京大学, 文学部, 講師 (70757822)
門屋 飛央  福井工業高等専門学校, 一般科目(人文系), 助教 (60805878)
黒木 邦彦  神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 准教授 (80613380)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2020年度)
配分額 *注記
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
キーワード論理表現 / モダリティ / 推論課程 / 九州方言 / 推論過程 / 条件表現 / モダリティ表現 / ダイナミクス / バリエーション
研究開始時の研究の概要

推論過程の言語化における地域語のダイナミクスを解明するために、中央語とは異なる方言固有の形式を豊富に持つ九州方言を対象に詳細かつ包括的な調査を実施することである。調査対象とするのは、命題間の論理的関係を表す接続表現と推論の根拠や蓋然性等に関わる話し手の認識を反映するモダリティ表現である。九州方言では、方言固有の論理表現形式・モダリティ形式が老年層だけでなく若年層にも比較的保持されている。九州方言を研究することにより、地域語内の推論表現体系および世代間変異の動態を明らかにする。これにより、包括的な日本語推論表現の意味論的研究に寄与すると共に、推論表現の方言調査手法確立にも貢献する。

研究実績の概要

2019年5月17日に事前に打ち合わせとして、モダリティ表現の面接調査および地域文献調査のこれまでの共同研究の内容を精査し、採取方法の問題点、他の論理表現・モダリティ表現を含めた調査項目の洗い出しと、論理表現・モダリティ表現の収集と分析に必要な意味・語用論に基づく文脈情報のリストの作成に着手した。2019年7月4日に全体ミーティングを開催し、以上の内容を共有した。研究の進捗状況を公開するためのウェブサイトを構築し、試験的に運用を始めた。以下、メンバーが行ったことの一部を列挙する。1)大分県宇佐市の録音データ(1978,1979)の音声・音韻的特徴、形態論的特徴を精査した。2)方言談話資料(『全国方言談話データベース日本のふるさとことば集成』国書刊行会、『全国方言資料』日本放送協会)を用いて、九州全域の順接仮定条件の形式の洗い出しを行った。3)五島列島の藪路木島方言について、音声・音韻に関わる調査を始めた。4)若年層の長崎方言(および他の北部九州方言)について、標準語の「の」に相当する「と」の用法について面接調査を行った。5)長崎市と新上五島市および奈良尾で、方言の推移について調査した。6)長崎市と新上五島市および奈良尾で、方言の推移について調査した。特に新上五島市ではキリシタン集落とその他の地域とのことばの違いについても調査を進めた。7)鹿児島県立図書館所蔵の方言ライブラリー(自然談話資料)を使い,次年度以降調査すべき項目の洗い出しを行った。8)天草市本渡方言,天草市深海方言の形態論,音韻論に関する調査を実施した。9)天草市牛深町、南島原市口之津町で論理表現と文末表現の調査を行った。以上の調査結果の一部を非公開のワークショップ(2020年3月9日)においてメンバー間で共有した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

年度当初の予定は、1)研究代表者の有田節子と研究分担者の江口正、岩田美穂、前田桂子、中田一志がモダリティ表現の面接調査および地域文献調査のこれまでの共同研究の内容を精査し、採取方法の問題点、他の論理表現・モダリティ表現を含めた調査項目の洗い出しを行うこと、2)それに基づき、論理表現・モダリティ表現の収集と分析に必要な形式意味論・発話行為論等の意味語用論に基づく文脈情報のリストを作成すること、3)以上の内容を他の4人の分担者(松浦年男、原田走一郎、平塚雄亮、門屋飛央)と共有すること、4)この5人の分担者も、それぞれがフィールドとする地域の調査データや、地域文献の資料等をメンバー間で共有するための非公開ワークショップを開催すること、5)研究の進捗状況を公開するためのウェブサイトを構築すること、であった。このうち、5)のウェブサイトについて、構築はしたものの、正式な運用は始まっていないという点で、若干の遅れはあるものの、1)から4)については、予定通り進んでいるから。

今後の研究の推進方策

本年度は、少なくとも、前半については、昨年度末に発生した、COVID-19の世界的な感染拡大の影響を大きく受けることが予想される。本研究課題は、インタビュー形式での調査に基づく方言研究の割合が高い。その調査対象の多くは、高齢者であり、COVID-19の感染について、特別な配慮が必要である。そのような現状を鑑み、本年度前半は、特に、リモートでの調査を可能にする調査マテリアルの開発に力を注ぐ予定である。可能ならば、オンラインでの調査、それがかなわないなら、マテリアルとICレコーダーなどを被験者に送付して、録音して返送してもらう、などの措置が考えられる。現状を注視しつつ、できることから順次実施していく予定である。後半には、開発したマテリアルを用いての調査を各フィールドで行う予定である。

報告書

(1件)
  • 2019 実績報告書

研究成果

(12件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 学会発表 図書

  • [雑誌論文] 「のだ」文の類型:意味関係と統語的環境から2020

    • 著者名/発表者名
      中田一志
    • 雑誌名

      日本語・日本文化

      巻: 47 ページ: 1-26

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 向井元升著『庖厨備用和名本草』中の方言リスト2020

    • 著者名/発表者名
      前田桂子
    • 雑誌名

      長崎大学教育学部紀要

      巻: 6 ページ: 1-14

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 甑島里方言のbasi2019

    • 著者名/発表者名
      平塚 雄亮
    • 雑誌名

      阪大社会言語学研究ノート

      巻: 16 ページ: 84-92

    • URL

      http://hdl.handle.net/11094/73641

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • オープンアクセスとしている
  • [雑誌論文] 国語教科書における連体修飾節構造―外国ルーツ高校生の日本語リテラシー教育のための基礎調査―2019

    • 著者名/発表者名
      松本理美・有田節子
    • 雑誌名

      KLS Selected Papers

      巻: 1 ページ: 73-84

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 天草地方の方言類型論を目指して2020

    • 著者名/発表者名
      松浦 年男
    • 学会等名
      Prosody and Grammar Festa 4
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 日本語条件文のテンスとモダリティ2020

    • 著者名/発表者名
      有田 節子
    • 学会等名
      同志社ことばの会2019年度年次大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 終止連体形「ル」の撥音化の諸相 大分方言および関西方言のコーパスより2019

    • 著者名/発表者名
      江口 正
    • 学会等名
      筑紫日本語研究会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 長崎方言の終助詞バイの変遷について―近世近代の長崎史料を中心に―2019

    • 著者名/発表者名
      前田 桂子
    • 学会等名
      長崎大学国語国文学会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 日本語諸方言における有声促音の類型論に向けて2019

    • 著者名/発表者名
      松浦 年男
    • 学会等名
      札幌学院大学言語学談話会第100回記念会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [図書] 坂口至教授退職記念日本語論集2020

    • 著者名/発表者名
      日高貢一郎・杉村 孝夫・木部 暢子・江口 泰生・二階堂 整・前田 桂子・荻野千砂子・佐藤久美子・原田走一郎・門屋 飛央・東寺 祐亮・堀畑 正臣・塚本 泰造・森脇 茂秀・勝又  隆
    • 総ページ数
      318
    • 出版者
      創想社(ホープ印刷出版事業部)
    • ISBN
      9784902227505
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [図書] データに基づく日本語のモダリティ研究2020

    • 著者名/発表者名
      田窪行則、野田尚史、小磯花絵、中俣尚己、木部暢子、小木曽智信、迫田久美子、佐々木藍子、細井陽子、須賀和香子、松吉俊、浅原正幸、窪園晴夫、有田節子、益岡隆志
    • 総ページ数
      228
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      9784874248287
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [図書] 日本語のテンス・アスペクト研究を問い直す1「する」の世界2019

    • 著者名/発表者名
      庵功雄、田川拓海、有田節子, 伊藤龍太郎、井上優、高恩淑、仁田義雄、和佐敦子
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      9784894767812
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2021-01-27  

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