研究課題/領域番号 |
19H01295
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
小野寺 拓也 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (20708193)
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研究分担者 |
山根 徹也 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 教授 (10315822)
三ツ松 誠 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 准教授 (10712565)
平山 昇 神奈川大学, 国際日本学部, 准教授 (20708135)
森田 直子 立正大学, 文学部, 准教授 (30452064)
池田 勇太 山口大学, 人文学部, 准教授 (30647714)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 感情史 / 日独比較史 / 感情体制 / エゴドキュメント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画の目的は、近代社会において合理主義が進むなかで、にもかかわらず(あるいは、だからこそ)感情や情動といった「非合理的」とされる要素が果たす役割やそれが起動するメカニズムを明らかにすることである。具体的には、「感情体制」というマクロな構造を視野に入れつつ、エゴドキュメントという史料をもとにミクロにそのメカニズムを解明する。第一に19世紀の国民国家形成期と、20世紀前半の大衆社会や総力戦の時代の日本とドイツにおける多層的な「感情体制」のありようを明らかにする。第二に、多様なエゴドキュメントの分析を通じて、感情や直感が必要とされ人々の行動基準となっていくメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
ヤン・プランパー氏(ロンドン大学ゴールドスミス校教授・当時)を招いての国際ワークショップを、2021年4月にオンラインで開催した。240名を超える参加があり、日本においては目新しい領域である感情史研究を今後推進していくうえで重要な場となった。本シンポジウムの内容は、現代史研究会の雑誌『現代史研究』第67号(2021年12月)において活字化された。また2022年6月には日本ドイツ学会大会で「19世紀における「感情史」―日独比較を通じて」を実施し、研究成果を公表した。外国雑誌での研究成果の発表が進捗中である。『現代思想』2023年12月号では、小野寺と森田が感情史の諸問題について討論を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、直感や気分、感性といった言語化しがたい要素によって、ある集団の感情体制がどのように構築されているのかについて、19世紀~20世紀の日本とドイツを比較してきた。そのさい、本研究は感情体制を国家と同一視して「日本的」「ドイツ的」な感情規範を抽出するのではなく、多層的な「感情体制」として双方の社会を読み解くことで、これまで論じられてこなかったような共通点や相違点を浮き彫りにしてきた。とくに「楽しみ」の互酬原理、花火の身体性、ロマン主義と「心」、「情」と「徳」の二項対立など、日本とドイツの歴史を考察する上でこれまでほとんど見出されてこなかった論点を抽出することに成功した。
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