研究課題/領域番号 |
19H01309
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯塚 一幸 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50259892)
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研究分担者 |
落合 功 青山学院大学, 経済学部, 教授 (10309619)
久野 洋 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (10795181)
東野 将伸 岡山大学, 社会文化科学学域, 講師 (10812349)
伊藤 昭弘 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 教授 (20423494)
町 泉寿郎 二松學舍大學, 文学部, 教授 (40301733)
中川 未来 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (60757631)
久保田 裕次 国士舘大学, 文学部, 准教授 (70747477)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 日本史 / 塩田地主 / 岡山藩 / 貴族院 |
研究開始時の研究の概要 |
岡山県倉敷市児島の野﨑家は、近世~近代の日本を代表する巨大塩田地主である。同家は、近世後期以降、全国の塩の8割以上を生産する瀬戸内塩業者の中心的存在となり、多様な政治・経済・社会活動を展開した。その活動は、岡山から瀬戸内海、日本から東アジアにまで及ぶ。本研究は、全面的な利用が可能となった野﨑家塩業歴史館所蔵の野﨑家史料について、その目録化を図り全容を公開し、「野﨑家史料研究会」を立ち上げて学際的研究を実施するとともに、それらの成果の上に立って論文集を刊行する。
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研究実績の概要 |
・本研究の目的は、①野﨑家史料を整理し、『野﨑家文書目録』として全容を公開する、②「野﨑家史料研究会」を立ち上げ、野﨑家史料から得られた新たな知見を基に、学際的な共同研究を実施する、その共同研究を通じて、岡山・瀬戸内地域の有力者から出発した野﨑家が、どのように日本の近代化を担い帝国化に対応していったのかについて、明らかにする、③②を通して、『巨大塩田地主野﨑家の総合的研究(仮)』を刊行することである。今年度は前年度に引き続き①を重点的に行った。実績の概要は以下の通りである。 ・野﨑家史料は、主に旧野﨑家住宅(野﨑家塩業歴史館)の母屋と書類蔵・内蔵に収蔵されている。これらの野﨑家史料について、主に大阪大学と岡山大学・ノートルダム清心女子大学の日本史研究室の院生・学生、および岡山県在住の地元研究者を組織して、2022年4月29日~5月1日、6月4日・5日、8月5日~7日、9月2日~4日、11月5日・6日、2023年2月22日~24日に調査を行い、付箋入れと目録化、必要な史料の撮影を実施した。その結果、今年度は4824点の目録を採り、660点の撮影を行った。 ・研究代表者・研究分担者・研究協力者、野﨑家史料に関心を有する若手研究者・大学院生、野﨑家塩業歴史館の関係者が参加して、2022年12月26日に第四回の「野﨑家史料研究会」を対面で開催した。本研究会では、研究代表者が調査の進行状況と課題について報告するとともに、研究協力者の土屋洋と大阪大学の大学院生望月みわが報告を行い、それを基に討論を実施した。 ・2022年6月に野﨑家史料から発見された1893年の水害史料について記者発表を行い、山陽新聞・読売新聞・毎日新聞に記事が掲載された。 ・2022年12月に京都大学学術出版会において論文集の刊行に関する交渉を行い、出版について合意した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・本研究の前提となるのが、旧野﨑家住宅の母屋と書類蔵・内蔵に収蔵されている野﨑家史料の目録化と撮影である。2020年度と2021年度は新型コロナの感染拡大のため、度々調査中止に追い込まれた。しかし、2022年度は計画通り調査を実施することができ、大阪大学と岡山大学・ノートルダム清心女子大学の院生・学生、および地元研究者等による史料調査を積み重ね、概ね順調に進行している。 ・研究代表者・研究分担者・研究協力者に加えて、野﨑家史料の目録化・撮影を中心的に担っている大阪大学の院生や地元研究者、野﨑家塩業歴史館の関係者も参加して、第四回の「野﨑家史料研究会」を対面で実施することができた。 ・野﨑家史料から発見された1893年の水害史料について行った記者発表に基づき、山陽新聞・読売新聞・毎日新聞に記事が掲載され、研究成果の社会への還元で成果があがった。 ・本調査の成果報告書である『巨大塩田地主野﨑家の総合的研究(仮)』の刊行については、京都大学学術出版会より2025年末に二巻本で出版するとの内容で合意した。また、論文集の執筆者の確定に向けて協議を行い、12名から執筆の同意を得て、論文集刊行に大きく前進した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は以下の方針のもとに研究を実施する。 (1)野﨑家史料は、主に旧野﨑家住宅(野﨑家塩業歴史館)の母屋と書類蔵・内蔵に収蔵されている。前年度に引き続き『野﨑家文書仮目録』にない史料群も含めて中性紙箱に詰め替え、新たに箱番号を付し、野﨑家史料の概要を把握する。 (2)主に大阪大学と岡山大学・ノートルダム清心女子大学の院生・学生、および地元岡山県の研究者等を組織し、野﨑家史料の目録化と必要な史料の撮影を行う。この作業は野﨑家塩業歴史館で実施する。また、目録データと撮影データについては、クラウドを利用しつつ、研究代表者・研究分担者・研究協力者および野﨑家塩業歴史館の間で共有する。 (3)「野﨑家史料研究会」を引き続き開催し、野﨑家史料から得られた新たな知見に基づく分析を進める。また、研究代表者・研究分担者は、各自の研究課題について先行研究を集め、各地の資料館・図書館・博物館で史料収集を実施する。本研究課題による活動と研究の成果を社会に還元するために、適宜新聞やテレビを対象に記者発表を行う。 (4)野﨑家史料が膨大であるため、5年間で目録化が終わらないことは確実である。そこで、岡山県に拠点を置く研究分担者の東野将伸・久野洋、研究協力者の遊佐徹(岡山大学)・定兼学(前岡山県記録資料館長)・山本太郎(倉敷市総務課歴史資料整備室)と協議して、研究期間終了後も整理を継続できる仕組みを検討し具体化する。 (5)2025年末の『地域の近代化と塩田地主野﨑家(仮)』『日本の帝国化と塩田地主野﨑家(仮)』二巻本の刊行に向けて、執筆者を確定し、出版を引き受けてもらった京都大学学術出版会との情報交換を行う。
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