研究課題/領域番号 |
19H01312
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
仁木 宏 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (90222182)
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研究分担者 |
七海 雅人 東北学院大学, 文学部, 教授 (00405888)
谷 徹也 立命館大学, 文学部, 准教授 (10781940)
谷口 正樹 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪歴史博物館, 学芸員 (20881311)
山田 邦和 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (30183685)
村井 良介 岡山大学, 教育学域, 教授 (30419684)
高橋 修 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (40334007)
山田 徹 同志社大学, 文学部, 准教授 (50612024)
天野 忠幸 天理大学, 文学部, 准教授 (50711115)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 武家拠点 / 城郭城郭 / 城下町 / 戦国時代 / 織豊期 / 都市 / 守護所 / 熊本 / 肥後 / 大阪 / 戦国大名 / 織豊大名 / 越前 / 阿波 / 福井 / 徳島 / 織豊政権 / 南部町 / 根城 / 聖寿寺館 / 三戸城 |
研究開始時の研究の概要 |
15世紀から17世紀初頭にかけて、武家の地域支配の拠点として発達した守護所、戦国期城下町、織豊期(織田・豊臣期)城下町は、史上はじめて武家が本格的かつ全国的に都市形成を行ったものであった。守護所・城下町研究は、1980年代以降、都市史のなかでもっとも研究が進んだ分野の一つで、現在も発掘調査などによって各地で新しい事例が加えられつつあるが、研究は個別化・分散化が進み、全体像が見えづらくなっている。本研究では、これら守護所・城下町についての最新の研究状況を全国的に収集して共同研究を実施し、権力論、都市空間、経済・流通などの観点から拠点形成の意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
武家の拠点形成のプロセスは、武家が支配領域の経済流通を掌握し、城下町を中心地として権力を確立してゆく過程でもあった。15世紀における経済・流通の発展が地域社会の核としての都市(港町、宗教都市など)を発達させると、武家は都市を掌中にすることを通じて、それまでできなかったレベルで地域支配を進められるようになる。豊臣政権は、征服地に城下町を造ったり、服属した大名に先進的な城下町を建設させたりすることで、より求心的な中心地を創設し、権力統合を押しすすめた。城下町は「天下統一」のための重要な要素であった。さらに近世においては、各幕藩領主の城下町が卓越した中心性を獲得し、領国を統合する拠点になってゆく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
城下町の成立・発展を、武家による拠点形成の視点のみから説明するのではなく、城下町の立地や機能が、先行する中世都市である港町、宗教都市に規定され、やがてそれらをどのように包摂して城下町が展開してゆくかを丁寧に検証した。これは、文献史、考古学、歴史地理学などの学際的な手法によってはじめて可能となったのであり、地域社会の中心に武家拠点が位置づいてゆくことの本質的意義がはじめて明らかになった。14世紀以来、武家拠点が明確化し、都市として発達することで地域社会における中核としての地位を確立する過程は、武家が国家権力として確立し、社会統合の主体となる経過と重なる。現代につづく拠点形成を解明した。
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