研究課題/領域番号 |
19H01320
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲葉 穣 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60201935)
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研究分担者 |
小茄子川 歩 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任准教授 (20808779)
塩野崎 信也 龍谷大学, 文学部, 准教授 (70801421)
春田 晴郎 東海大学, 文化社会学部, 教授 (90266354)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | フロンティア / 山岳 / 越境 / ユーラシア史 / 歴史 / アジア / アジア史 / 文化交流 / 考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ユーラシア大陸を東西に貫く大山岳地帯の中央部、カラコルム/ヒンドゥークシュ、コペトダウ、アルブルズ、コーカサスの山脈群が、歴史的に中央ユーラシア、西アジア、南アジアを隔てる障壁として如何に機能し、一方でそれらの世界をどのように結びつけてきたのかという点を、フロンティア研究の文脈を縦軸に、山岳社会研究を横軸に、フィールドワーク、文献学、考古学、貨幣学あるいは古気候学の成果を利用しつつ考察しようとするものである。自然地理的境界(山岳)の歴史的異議と多義的性格、山岳社会事態の形成と展開の特徴についての事例研究を通じ、将来的により広汎な比較研究を行うための準備を整える。
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研究成果の概要 |
前近代ユーラシアにおけるフロンティアとしての山岳地域に関するフィールドワークと文献調査を柱とした本研究は、残念ながらコロナ禍のゆえに十分なフィールドワークを行いえなかったが、その代替として、衛星写真の分析による遺跡と古代ルートの探査、代表者、分担者による、各時代と地域の山岳フロンティアに関する個別研究を進めた。その結果、険しい山岳地帯に散居する人々がどのような形で国家を形成し、その国家の動向に山岳地帯がどのような影響を及ぼしたかについて幾つもの興味深い論点が得られた。それぞれの論点を発展させたせいかについては個別論文あるいは論集として公開される予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ユーラシア大陸を東西に貫く山岳の帯に着目し、それがそれぞれの歴史世界、文化世界にどう影響したかという角度からの研究は、ユーラシアを内陸部と沿岸部に分け、遊牧民と定住農耕民の相互作用としてユーラシアの歴史を考えることとは別の方向性を示すことができる。人間集団の移動と越境は、各地域に新しい活力と文化を生み出したと理解されるが、それが単に水平方向の移動だけでなく、重力に逆らった垂直方向の移動をも包含することを考慮することで、前近代史研究に新しい可能性が開かれる。
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