研究課題/領域番号 |
19H01322
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
太田 淳 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (50634375)
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研究分担者 |
赤坂 郁美 専修大学, 文学部, 教授 (40574140)
財城 真寿美 成蹊大学, 経済学部, 教授 (50534054)
長田 紀之 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター動向分析研究グループ, 研究員 (70717925)
塚原 東吾 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80266353)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 東南アジア / 気候 / 降水量 / 疫病 / 政策 / 洪水 / 植民地 / 農業 / 治水 / 都市工学 / 歴史気候 / 環境 / 植民地期 / 降雨 / 台風 / 都市計画 / 歴史気象 / 都市 / 都市形成 / 気候変動 / 植民地統治 / 植民地経済 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は, 過去の気候変動に対し人間社会がどのように対応してきたかを検討することによって, 近代東南アジア史を再考する。蘭領東インド, スペインおよび米領フィリピン, 英領ビルマ・マラヤ・シンガポールに関する歴史気象資料の分析から, 1870年代から1940年の期間にどのような異常気象(洪水, 旱魃, 台風, 多雨, 少雨など)や中長期的な気候変動(温暖化など)が存在したかを確かめる。ついで植民地の諸資料から, 異常気象や気候変動に対し政府がどのような対策を取ったか(治水対策や都市計画など), 住民がどのような対応を取ったか(移住, 生業・農産物品種の変更など)を検討する。
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研究実績の概要 |
2022年度はようやく海外調査が再開できた。太田はオランダ王立気象研究所で蘭領東インドの降水量データを確認し、ジャワで米の不作が発生した1920-21年における降水量分布を明らかにする上で重要となる、観測所の地理情報を入手した。赤坂はマニラ気象観測所で調査を実施し、20世紀初頭の降水量データを入手した。同じく塚原は、オランダ国立文書館でオランダ海軍の航海日誌を調査した。財城および長田は、それぞれ既に入手済みの蘭領東インドの降水量データおよびイラワディデルタにおいて築堤を主導したイギリス人技師の残した資料を分析した。研究協力者の笹本浩子は、オランダで発行された土木技術者向け専門雑誌をオンラインで入手して分析した。 以上の調査の結果、次のような見解が得られた。太田は1910-30年代のバタヴィアにおいてマラリアが発生する際に特有の降水パターンがあったことと、当時のマラリア防遏政策に気候に関する知識と都市工学を組み合わせる発想があったことを明らかにした。財城はジャワで米が豊作であった1919年と不作が発生した1920、1921年の降水量分布を分析し、降雨が1920年後半に少なく1921年前半に多いこと、気温が3年間を通じてやや低いことを明らかにした。赤坂は米の不作が発生した1938年におけるフィリピンの降水量分布を分析し、ルソン島西部を中心に9月までの降水量が著しく少ないことを明らかにした。塚原はオランダ海軍の航海日誌に含まれる気象情報について情報を抽出し、データベース化を進めた。笹本は1870年代のバタヴィアおよびスマランにおける洪水防御計画の内容とその形成過程を明らかにした。長田はイラワディデルタにおいて築堤が洪水からの防御に与えた影響と植民地行政の優先順位について明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度より海外での調査に出られるようになり、研究が大きく進展し始めた。2019年度に収集した資料について2020-21年度にかなり時間をかけて分析を進めていたたことも、2022年度になって研究が進展する要因となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今までに収集した資料の解析を終わらせ、研究成果をまとめることに注力する。メンバー間の打ち合わせを密にして、一貫性のある成果をまとめ上げるよう努める。
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