研究課題/領域番号 |
19H01325
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
須江 隆 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90297797)
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研究分担者 |
梅村 尚樹 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (40847084)
高橋 亨 東北大学, 文学研究科, 学術研究員 (20712219)
藤本 猛 京都女子大学, 文学部, 准教授 (50757408)
津田 資久 国士舘大学, 文学部, 教授 (60407195)
渡辺 健哉 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (60419984)
小島 浩之 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 講師 (70334224)
江川 式部 國學院大學, 文学部, 准教授 (70468825)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 夷堅志 / 南宋 / 洪邁 / 史料論 / 史料活用 / 訳注 / 中国近世社会 / 国際共同研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は南宋時代の筆記史料『夷堅志』に着目し、その史料性及び全容の解明と、史的研究への活用の便をはかるための情報ツールの構築を目的とする。 『夷堅志』は当時の人々の日常性を見出せる史料の宝庫であるが、史料の特質や全容が把握されておらず、とりわけ歴史的研究分野では有効活用されてこなかった。近年、中国学分野で国際的にも注目が集まる筆記史料であるだけに、本研究では、国際的な共同研究のもと、『夷堅志』の全容の見える化をはかり、同書を活用した史的研究の活発化を促進する。
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研究成果の概要 |
『夷堅志』206巻は、南宋の洪邁が各地で見聞・収集した怪事などを纏めて書き記した書で、志怪小説に分類される。一個人の著作としては空前の書物で、その内容は社会全般に及び、風俗習慣から神仙鬼神、精神生活や医薬の処方など極めて多岐にわたる。そのため、他の著作には見えない、当時の人々の生き生きとした日常性や生活文化の実態、価値観などを窺い知ることができる史料の宝庫である。 本研究では、『夷堅志』を如何に史的研究に活用すべきなのか、どうしたら『夷堅志』活用の便をよりはかれるのか、『夷堅志』を国際的共同研究の素材として推進するためにはどうすべきなのかという課題に取り組み、その成果を公表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、全容の解明が殆ど進んでいなかった『夷堅志』支甲所収の逸話に関わる詳細な訳注稿を作成し、当該箇所に所収されている逸話の見える化をはかったところにある。これらの成果は、中国史研究者のみならず、中国文学や日本文学研究者からも高い評価が得られ、内外の関連学界にインパクトを与えることになった。また着目した各逸話から抽出できた史実は、従来の研究でいわれてきた事実を覆すものも複数含まれていた。 更に本研究での訳注稿の作成・公表は、現代を生きる我々が現実を見つめ直す上で、比較・参照すべき過去の生き生きとした日常的実態が素材として提供されたことを意味するため、社会的意義をも有する。
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