研究課題/領域番号 |
19H01328
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高山 博 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 名誉教授 (90226936)
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研究分担者 |
加藤 玄 日本女子大学, 文学部, 教授 (00431883)
草生 久嗣 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (10614472)
大貫 俊夫 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (30708095)
亀長 洋子 学習院大学, 文学部, 教授 (40317657)
藤崎 衛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50503869)
阿部 俊大 同志社大学, 文学部, 教授 (60635788)
菊地 重仁 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80712562)
小澤 実 立教大学, 文学部, 教授 (90467259)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 西洋中世 / 制度 / 統治 / polity / 国家 / 比較 / 境界 / 異文化 / ガバナンス / 中世 / 政治 / 境域 / ヨーロッパ / 地中海 / ビザンツ / 聖界 / 統治システム / 境界地域 / 異文化接触 / 比較史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、西洋中世世界の境界地域における人間集団の統治システムの生成、機能、変化の過程を、当該地域における異文化の接触と影響、人間集団の分裂と統合に注目しながら跡付ける共同研究である。そのために、従来代表されがちであった英独仏といった近世以降の強国の事例だけに注目するのではなく、異文化接触という観点を導入する。そのうえで、境界地域で異文化接触が確認される地理的枠組みごとに専門家が境界地域に対する統治システムを分析し、全体を総合して、西洋中世全体の統治システムの特徴を再構成する。こうして、人間集団をコントロールする統治システムはどのような制度であり得るのかという普遍的問題の考察につなげる。
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研究成果の概要 |
研究目的に沿った共同研究を進めた結果、研究代表者の高山博・亀長洋子編『中世ヨーロッパの政治的結合体:統治の諸相と比較』(東京大学出版会、2022)を得ることができた。本論集は、統治(governance)と政治的結合体(polity)というキーワードを設定し、西洋中世の諸地域におけるその展開の比較を試みた。その結果、①現在の大国にフォーカスする従来の研究では等閑視されがちであった北欧、東欧、南欧、アルメニア、黒海のような辺境の意義、②教皇庁や修道会のように国境や言語圏を越えた広域ネットワークへの機能、③統治するものと統治されるものの相互作用から生成する独特の政治文化などが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じて西洋中世において多様なかたちで展開した統治システムと政治体の比較を行うための基礎的なデータとアプローチのための枠組みが提示されたことにより、前近代世界における統治と政治体の比較研究を一層進展させることが可能になった。より具体的には、本研究による手法をイスラーム世界、中央アジア、東アジア、アフリカ世界など諸国家に適用することで、前近代世界全体に対して統治と国家形成の比較史を試みることが可能である。それは、私たちが従来理解してきた世界史の枠組みを改めて問い直すことにも繋がり、研究者や大学のみならず、一般や中等教育における世界史認識を刷新することにもつながると判断できる。
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